ニキビができるメカニズム
ここでは10代の頃にできるニキビを思春期ニキビ、20代以降にできる吹き出物を大人ニキビと区別します。まずはニキビのできるメカニズムからご紹介しましょう。
ニキビを引き起こすアクネ菌はニキビのない肌にも一定数存在している常在菌で、普段は皮膚を弱酸性に保ち、他の悪玉菌から肌を守ってくれています。
このアクネ菌は皮脂を好み、酸素を嫌うため毛穴の中の皮脂腺に多く存在します。そのため、アクネ菌が毛穴の中で過剰に繁殖すると皮脂腺が炎症を起こしてニキビとなるのです。
10代の頃にできる思春期ニキビはほとんどの場合が皮脂の過剰分泌が原因です。若い頃は新陳代謝が活発で、皮脂の分泌量が多く、その皮脂が毛穴に詰まりアクネ菌が大量繁殖してニキビが出来てしまうのです。
思春期ニキビは、皮脂の過剰分泌が原因なので、洗顔をして清潔を保てば治ると言われています。
大人ニキビができる原因
思春期を過ぎてからできる、大人ニキビは様々なきっかけでできてしまい、原因も複雑です。
大人ニキビの主な原因は
・紫外線やエアコン
・ホルモンバランスの乱れ
・タバコやお酒などの乱れた生活習慣
・ストレス
・シャンプーの洗い残し
など、多岐にわたります。
様々な原因が考えられるため、大人ニキビを改善するのは難しいと言われています。しかしこれらのきっかけのほとんどが肌の乾燥と関係してるのです。
紫外線やエアコンで肌が乾燥するのは想像通りですが、ホルモンバランスや生活習慣の乱れ、ストレスもターンオーバーのサイクルを狂せ、肌の乾燥を引き起こします。
また、大人のニキビは若い時よりも肌の新陳代謝が落ちているため、治ってもニキビ跡が残りやすく、色素沈着を起こしたり、クレーターのようなニキビ痕が残ってしまいます。酷くなる前に早めにニキビケアしてあげましょう。
大人ニキビの原因は肌の乾燥と角質肥厚
繰り返し同じ所にできる大人ニキビ。肌の乾燥により発生する理由は下記の通りです。
・皮脂の過剰分泌でコメドができる
肌の水分は角質層に天然保湿因子NMFやセラミドなどがあることで保たれています。さらにこの水分を蒸発させないために皮脂膜という薄い脂膜で覆われています。
しかし紫外線の刺激や、エアコン、ホルモンバランスの乱れなどによりターンオーバーのリズムが狂うと肌の水分は不足してしまいます。すると肌は水分がこれ以上不足しないように皮脂をたくさん分泌して皮脂膜を厚くするのです。
過剰分泌された皮脂はコメドを作ります。コメドは皮脂が溜まって固くなったもので、これが毛穴を塞ぎ、ニキビを発生させるのです。
・同じ場所に繰り返しできるニキビは角質肥厚が原因
また、同じ場所にニキビが何度もできてしまう場合は、角質肥厚が原因と考えられます。
肌が乾燥すると古い角質がターンオーバーの際に剥がれにくくなり、いつまでも肌に残ってしまい、角質が厚くなります。そのため、毛穴の入り口が狭くなり毛穴が詰まりやすくなるのです。
そして古い角質と皮脂が混じり合い角栓ができると、入り口が狭くなっている毛穴が詰まり、アクネ菌が大量に繁殖し、炎症をおこすのです。
どちらの原因も元々は肌の乾燥。ニキビがあるとつい、さっぱりとした化粧品を使いたくなりますが、肌が乾燥しないように保湿ケアをきちんとしてあげることが大切です。
にきびケアで、やってはいけない事
ニキビがあると気になってつい触ってしまいますが、皮脂腺が刺激されるようなことや、肌を乾燥させるようなことは悪化を招きます。以下のようなことはできるだけ避けましょう。
・ニキビを潰す
中の膿を出そうと潰すと色素沈着を起こして痕になってしまいます。また、皮脂腺が刺激されて更に皮脂が分泌されて悪化する恐れもあります。
・過剰な洗顔
大人ニキビの場合、洗顔のしすぎで肌が乾燥すると角質肥厚になったり、インナードライになって更に悪化する恐れがあります。またゴシゴシ洗いは肌が傷付きバリア機能の低下となり治りが悪くなりますので優しく洗って下さい。
化粧で隠そうとする…大人ニキビがあるとついファンデーションを厚く塗ったり、コンシーラで隠したくなりますが、早くニキビを治したいなら、ニキビの部分だけでもファンデーションを控えた方がよいでしょう。
ファンデーションは更に皮脂を詰まらせてしまいます。また、ファンデーションを取る際のクレンジングオイルは皮脂膜を必要以上に溶かして肌を乾燥させる原因となります。
ニキビが酷い時はアイメイクだけにしたり、石鹸で落ちる程度のメイクに変えるなど工夫して、出来るだけ毛穴を詰まらせるような化粧は避けましょう。
特に乾燥肌や敏感肌などデリケートな肌質の方は、肌のバリア機能が低下しているので、通常よりも乾燥しやすい肌状態です。洗顔のし過ぎに注意して、化粧水だけではなくクリームや美容液を使い、しっかりと保湿ケアしましょう。
どんな成分が大人ニキビに良いの?
ニキビ発生の原因となる肌の乾燥を防ぐ保湿成分や、皮脂の過剰分泌を抑え毛穴の詰まりを防ぐ成分など、大人ニキビのできにくい肌環境を作る美容成分も大切ですが、やはりできてしまったニキビやニキビ跡に効果的な有効成分が配合された基礎化粧品を選びたいですよね。
では、一体どんな成分が大人ニキビに効果があるのでしょうか?それは、治したいニキビの状態や肌質により、効果的な成分が違います。また、ニキビに効果的な成分の中には、厚生労働省の医薬部外品規格をクリアした有効成分もあります。
大人ニキビとニキビ痕に効果的な代表的な3つの有効成分を紹介します。
ニキビの炎症を抑える!グリチルリチン酸ジカリウム
化粧品のメーカーによってグリチルリチン酸、またはグリチルリチン酸2Kなどとも表示されています。グリチルリチン酸は甘草の根に含まれている成分で、炎症を抑える効果があり、古くから漢方薬として処方されています。
現在ではこのグリチルリチン酸にカリウムを化合させたグリチルリチン酸ジカリウムがニキビケア商品だけでなく抗アレルギー薬や風邪薬などに配合されています。グリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症作用や抗アレルギー作用がある為、赤ニキビなどの進行形ニキビの炎症を抑えます。
この抗炎症作用と抗アレルギー作用の効果が認められ、医薬部外品や化粧品の有効成分として多く使用されています。
角質肥厚やコメドに効果的!サリチル酸
サリチル酸は角質溶解作用、殺菌・防腐作用があり、ニキビに対しては2つの効果が期待できます。
1、角質肥厚などで固くなった角質や、コメドなどの皮脂腺の詰まりを溶かしてニキビを予防する効果。
2、増殖したアクネ菌を抑制してニキビが悪化するのを防ぐ、殺菌効果。サリチル酸は皮膚の親和性が高く、ニキビや、ニキビ跡の色素沈着などにも効果的です。
また、グリコール酸や乳酸などのAHAを使ったピーリングに比べても角質除去の効果が高く、角質肥厚や角栓、コメドの溶解に効果的です。
しかしこのサリチル酸は人によっては刺激を感じる方もいます。また、配合率が高いと肌表面の角質層を必要以上に薄くして肌を乾燥させてしまいます。
大人ニキビは乾燥が原因の場合も多々ありますので、使ってみて肌がピリピリしたり、乾燥が気になるようでしたら控えた方が良いかもしれません。特に敏感肌やアトピーなどの方は、注意しましょう。
ニキビ跡や色素沈着に!ビタミンC誘導体
美白ケア化粧品でよく見かけるビタミンCですが、実はニキビケアにも効果があるんです。ニキビが炎症を起こす原因に活性酸素があります。ビタミンCは活性酸素を取り除く抗酸化作用があり、炎症を鎮めてくれます。
このほかにもビタミンCには次のような効果があります。
・ニキビの炎症緩和作用
皮脂の分泌も抑えてニキビの炎症を緩和します。
・ニキビ跡や色素沈着の改善
還元作用により残ってしまったニキビ跡や色素沈着に作用します。
・クレーター状になった肌の改善
コラーゲンとエラスチンの結合を促進する作用で肌のハリや弾力を取り戻し、凹んでしまったクレーター状のニキビ跡も改善します。
このようにビタミンCは美白ケアだけでなくニキビケアを総合的にカバーしている優れものなんです。しかしビタミンCは壊れやすく、肌の吸収率も悪いというデメリットがあります。
そこでお勧めしたいのがビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体はビタミンCを改良した物で、光や熱に対して耐性があり浸透率が高いのが特徴です。使い続けることでニキビ跡やクレーター肌の改善が期待できますし、皮脂の分泌を抑制してニキビができにくい肌となります。
ニキビケアはトータルにケアしましょう
いかがでしょうか。大人ニキビは肌の乾燥がきっかけでできてしまうことが多々あります。また活性酸素はニキビを悪化させる原因となりますので抗酸化作用のある美白化粧品などで抑制しましょう。
大人ニキビの肌は若い時と違って代謝も衰えています。美白化粧品には抗酸化作用だけでなく、肌の代謝をあげてターンオーバーを促す作用のある有効成分が配合されているものが沢山あります。肌の代謝をスムーズにするためにもニキビケアと同時に美白ケアを行いましょう。
特にビタミンC誘導体は炎症中のニキビから色素沈着のケア、クレーター状になった肌の回復までトータルにカバーしてくれるお勧めの成分です。是非日々のケアに取り入れてみてくださいね。
さらにサリチル酸などのピーリング剤はニキビの進行具合によって肌に刺激となる時もあります。購入前には必ずトライアルセットで確かめましょう。最近では大人ニキビ用の化粧品もラインで揃うようになりました。
NOVのACアクティブやETVOSのニキビケアライン,シーボディVCなどはラインで使うと角質や保湿、美白までトータルにケアできるようになっています。まずはトライアルセットで試して自分の肌に合う化粧品を見つけてください。