ブルジョワやソニアなど…「あの有名コスメブランドがなくなった理由」とは?

ブルジョワやソニアなど…「あの有名コスメブランドがなくなった理由」とは?

日本は世界でも有数のコスメ大国。もともと日本には優秀かつ強豪ブランドがひしめいていますし、数え切れないほどの外資系ブランドも進出していますよね。

しかし多くのブランドが誕生する一方で、激しい競争の結果なくなってしまったブランドもたくさんあります。今回は、惜しまれつつ姿を消したブランドをいくつか取り上げてみたいと思います。

女子高生からOLにまで大人気だった「ブルジョワ」

ブルジョワやソニアなど…「あの有名コスメブランドがなくなった理由」とは?女子高生からOLにまで大人気だった「ブルジョワ」が日本撤退した理由をひもときます。

「ブルジョワ」はフランス人の俳優によって作られたブランドです。その歴史はとても古く、あの「シャネル」よりも昔。最初は舞台用の化粧品を作っていましたが、1879年に一般用の化粧品も販売するようになりました。

真偽のほどは不明ですが、シャネルが化粧品業界に進出するとき、相談したのがブルジョワだったという噂もあります。事実、シャネルが今も採用している焼き上げ式のドーム型アイシャドウも、もとはブルジョワが考案したものでした。

シャネル レ キャトル オンブルは、シャネルが今も採用している焼き上げ式のドーム型アイシャドウ

やがてブルジョワはシャネルの傘下に入ります。同じ工場で作られていたので、容器は違っても実は中身が一緒だった、という話は有名ですよね。

日本で売られるようになったのは1980年ごろからでしたが、容器もおしゃれ、質もいいし安い!ということで、女子高生からOLにまで大人気のブランドになります。ソニプラ(現在のプラザ)など、買いやすいバラエティショップで扱われていたことも勝因でした。

その後約30年の月日が流れ、プチプラコスメの王者として成功しましたが、2014年に撤退を発表。理由は「欧州に合わせた商品開発をしていたため、日本市場のニーズに対応しきれなかった」とされていますが、その後シャネルがブルジョワを売却したことと、無関係ではないでしょう。

ブルジョワやソニアなど…「あの有名コスメブランドがなくなった理由」とは?ブルジョアはコティが買い取りました。

そしてブルジョワを買い取ったのは、世界有数のフレグランス会社、「コティ」です。香水文化のない日本は、コティ社の本格的な進出がまだそれほど進んでいません。でもいつの日かまた、ブルジョワを日本にカムバックさせてくれるといいですね。

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女性はもちろん今でも男性にファンが多い「ビオテルム」

女性はもちろん今でも男性にファンが多い「ビオテルム」は、現在ベッカムが広告イメージを担当されています。

「ビオテルム」は、世界最大のコスメ会社、ロレアル傘下のブランド。「ビオ=BIO(植物)」と、「テルム=THERM(温泉)」という名前の通り、温泉水と植物成分をかけ合わせた独自の美容成分を採用しているのが特徴です。

フランス生まれのブランドで、本国では、あの「ランコム」より人気があるともいわれています。そんなビオテルムが日本から撤退したのは2009年のこと。

「香りが強い」「外資系なのに容器がシンプルすぎ」という声もありましたが、そこをかえって良しとするリピーターもいました。モデルのSHIHOがミューズをつとめるなど、大掛かりなプロモーションを行っていたこともあり、決して人気のないブランドではなかったのです。

それでも日本から消えてしまったのは、ロレアル社の事情だったようです。ロレアルは多くのブランドをもっていますが、2008年ごろから「キールズ」を初め、アメリカで急成長したブランドを数多く日本に投入しました。

あまりにブランドが多すぎると売り上げが分散してしまいますから、ロレアル社は比較的展開が小規模だったビオテルムを日本から撤退させることにしたといわれています。

ちなみに男性用のスキンケアライン「ビオテルム オム」シリーズには、今でも根強いファンがいます。男性用の高級化粧品はそれほど数が多くないので、「せめてビオテルム オムだけでも復活させてほしい」という声もあるほどです。

導入美容液を初めて売り出した「ソニア リキエル ボーテ」

SONIA RYKIEL BEAUTE導入美容液を初めて売り出した「ソニア リキエル ボーテ」は、もうなくなってしまったブランド。いま販売されているものは、2015年の撤廃前に作られたものとなります。使用期限である3年はぎりぎりクリアしていますが、今後ネットなどでの購入は控えた方が良さそうです。

「ソニア リキエル」は、フランスのファッションブランドです。あの「アルビオン」がライセンス契約、つまり「御社の化粧品は我が社で作りますよ」という契約を結んで、「ソニア リキエル ボーテ」として展開していたブランドでした。

初めて登場したのは1987年。アルビオンの名前こそ表に出ていませんでしたが、高い技術力を活かした斬新なアイテムを次々に登場させ、あっという間に人気ブランドになります。

代表的なアイテムは、何といっても「イドラ プルミエール」。この名前にピンと来た人も多いかもしれませんが、洗顔直後に使う、あの名美容液です。今でこそ導入美容液は珍しくもなんともありませんが、発売当時はそんなアイテムはありませんでしたから、大きな話題になりました。

また、ジェル状のファンデーション、「エクラタン デボルタン」も忘れてはいけないアイテム。パウダーでもリキッドでも、ましてやクリームでもない、プルプルした感触がやみつきになる人が続出しました。

ところが、2010年を過ぎたころから新製品が少なくなり、また後発の類似品が増えてきたこともあって苦戦が続くようになります。

それに追い打ちをかけたのが、本国のソニア リキエル社の経営母体が変わったこと。ライセンスや事業展開にまつわる交渉がスムーズに行かなくなったことが、ブランド撤収の決定打になったといわれています。

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日本のナチュラルコスメ市場の立役者「オリジンズ」

ブルジョワやソニアなど…「あの有名コスメブランドがなくなった理由」とは?日本ナチュラルコスメのはしりだったオリジンズも日本から撤退してしまいました。

単なるナチュラルコスメは数多くありますが、植物の力に科学的なアプローチも加えてより大きな効果を引き出す、とうたっているのが「オリジンズ」。世界有数の化粧品会社、エスティ ローダーグループ傘下のブランドです。

日本に上陸したのは1995年。可能な限りオーガニック素材を使ったり、エッセンシャルオイルにこだわったアプローチは、当時の日本人にとっては新鮮でした。そもそも、「オーガニック」「エッセンシャルオイル」という言葉は、日本人になじみのある単語ではなかったのです。

また、ストレスケアに特化した「ピース オブ マインド」、身体のコリをほぐすマッサージ器具「ジャックノバー」など、心と体の健やかさに着目したアイテムを次々と発売していたのもユニークでした。

日本人がスキンケアに「癒し」の概念を取り入れることができたのは、ある意味オリジンズのおかげだったといえるでしょう。日本のナチュラルコスメの創成期を大いに引っ張ってくれていたのですが、2010年あたりから売り上げが伸び悩むようになります。

2012年には、エスティ ローダー社の事業再構築の一環として、日本からの正式な撤収が決まりました。売り上げが低迷した理由はいくつか考えられますが、いちばんの理由は、日本人がナチュラルコスメにうるさくなったことかもしれません。

昨今の日本には、「100パーセント植物由来」「ノンケミカル」などなどを売りにしたブランドがもてやされていますから、自然な素材を使っているとはいえ、ときに人工的な成分や科学的処方も積極的に取り入れるオリジンズの姿勢は、中途半端な印象をもたれてしまったのでしょう。

韓国のラグジュアリーブランド「アモーレパシフィック」

韓国のラグジュアリーブランド「アモーレパシフィック」は、高級すぎたため、デパートでは苦戦したようで、少しリーズナブルなアイオペやエチュードハウスなどが好調のようです。

「アモーレパシフィック」は韓国最大の化粧品メーカー。資生堂、花王についでアジア第3位の規模を誇ります。日本に上陸したのは2006年。ちょうど韓流ドラマ「冬のソナタ」の放映が終わったばかりのころで、日本では韓流ブームが起きていました。

上陸するやいなや、伊勢丹、阪急などの高級百貨店に出店したことで話題を集めます。最高級ラインの「タイムレスポンス」は、クリームが5万円超もしました。「クレ・ド・ポー ボーテ」や「コスメデコルテ」などと競合するラグジュアリーブランドとして、一躍脚光を浴びるようになったのです。

中身ももちろん本格派で、ベースに水ではなく竹の樹液を使ったり、朝鮮ニンジンのエキスを配合したりするなど、かなり高品質なものだったのですが…2012年、当時の李明博大統領が竹島に上陸したことをきっかけに日韓関係が悪化します。

これに追い打ちをかけたのが円安の長期化。日本国内の韓国企業の業績は悪化するようになります。アモーレパシフィックもこれにもれず、2014年には4か所で展開していた店舗の閉鎖を決定、日本事業から撤退してしまいました。

外資系ブランドというと日本人の好みとのズレがどうしても出てきやすいのですが、アモーレパシフィックは同じアジアで開発された化粧品だけあって、香りもテクスチャーも、そしてラインナップも日本人に受け入れられやすいものでした。

…が、日本にはすでに数多くのラグジュアリーブランドが存在していますから、そこに食い込むのはやはり大変だったのかもしれません。

かわいいイラストで女ゴコロをつかんだ「スティラ」

かわいいイラストで女ゴコロをつかんだ「スティラ」は元々、エスティローダーグループでした。

「スティラ」はアメリカ人のヘア&メークアップアーティスト、ジャニーヌ・ロベルが作ったブランドです。2000年から世界最大級の化粧品会社、エスティ ローダー社の傘下に入りました。

ジャニーヌは多くのハリウッド女優を手掛ける有名なアーティストで、彼女がキャメロン・ディアスなど多くの女優にアイテムを使ったことから人気に火がつきました。また、かわいい女の子をあしらったパッケージもユニークで、日本でも熱狂的なリピーターを増やしました。

ところが、経緯は不明ですが、スティラはやがてエスティ ローダー社を離れて独自に日本法人「スティラ ジャパン」を立ち上げます。その後、2008年に主力商品のひとつである「シャイン リップカラー」から配合禁止成分が検出され、自主回収騒ぎを起こしてしまいます。

海外ブランドの場合、自社商品を日本で売ろうとすると、日本の薬事法に合わせて中身も変えなくてはいけません。それをきっちり行うにはそれなりの資本力や施設が必要なのですが…。また、日本の薬事法は海外業者にとってわかりにくい部分があります。

エスティ ローダー社を離れたスティラには、そこまでの知識や余裕がなかったのかもしれません。自主回収の翌年2009年には、日本から撤退してしまいます。

スティラ

スティラを代表する名品として有名なグロス、「リップ グレイズ」には、今でも多くのファンがいます。並行輸入や海外通販などで比較的手に入れやすいこともあって、個人で購入している人も少なくないようです。

また買いたい! 戻ってきて!…と願うしかないけれど

また買いたい! 戻ってきて!…と願うしかないエリザベスアーデン。旅行にいったら買うべしですね。

「プリスクリプティブ」や「エリザベスアーデン」、「ボーテ ド コーセー」など、人気があったのに消えていったブランドはほかにもたくさんあります。

理由はどうあれ、そのブランドを愛していた人にとって、撤退・撤収はとても悲しい出来事。いつの日かまた、奇跡の復活を遂げてほしいものです。

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