美白成分は目的に合わせて種類を選ぶ!シミの予防・改善に効果的な有効成分とは

美白成分は目的に合わせて種類を選ぶ!シミの予防・改善に効果的な有効成分とは、考えている女性の横顔。

美白成分ってたくさんありすぎて、どれを選べばいいのかわからない……。

白い肌に憧れながら、そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。実は美白成分は、シミの予防に効くものや、できてしまったシミに効くものなど種類によって効果が違うんです。

このページでは、自分に合った美白成分を選ぶためのポイントをお話しします!

ハイドロキノン・アルブチン・ビタミンC誘導体・コウジ酸などの美白有効成分が配合された美白化粧品のトライアルセットを集めてみました~

美白成分にはどんな種類があるの?

美白成分には、「美白有効成分」と「その他の美白成分」の2種類があります。この2つの違いと、それぞれに含まれる代表的な美白成分をご紹介します。

美白有効成分について

美白有効成分は、厚生労働省により認可された成分となります。

美白有効成分とは、厚生労働省に「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」という効果を認められた成分です。現在認定されている成分はおよそ20種類。

美白有効成分の認可を受けるには厳しい審査があるうえに、成分の研究開始から認可を得るまで約10年かかるので、認定までのハードルが非常に高いです。

また美白有効成分を一定量含む化粧品は、医薬品と化粧品の中間である「医薬部外品」に分類され、「化粧品」と表示された商品よりも高い美白効果が期待できます。

ただし、「その他の美白成分」にも高い美白効果を持つものがあります。美白有効成分の認定を受けるには莫大なコストがかかるので、あえて認定を受けないメーカーも多いのです。

代表的な美白有効成分

代表的な美白有効成分のアルブチンの原料であるコケモモ画像。フルーツですね完全に。

同じ美白有効成分でも、成分によって効果は様々です。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

アルブチン

資生堂が開発した、コケモモなどの植物に存在する美白成分です。別名はβ-アルブチン。2003年に特許の期限が切れたため、現在では多くのメーカーが化粧品に使用しています。

メラニンを生成するチロシナーゼという酵素の働きを阻害し、シミやくすみの発生を抑制する作用があります。

β-アルブチンとは別に、江崎グリコが開発したα-アルブチンという成分もありますが、β-アルブチンと製造方法が異なるうえ、美白有効成分の認定を受けていません。

ビタミンC誘導体

ビタミンCは、非常に不安定で酸化しやすく、浸透率も悪いのでそのまま肌に塗っても十分に効果を発揮できません。そこでビタミンCの構造を安定化させ、肌に浸透しやすく改良したものがビタミンC誘導体です。

現在では多くの化粧品に採用されており、チロシナーゼの働きを妨げたり、メラニンを無色化する美白効果があります。

コウジ酸

三省製薬が開発した美白成分。酒造りを行う杜氏の手が白く美しいことをきっかけに、日本酒や味噌の醸造に使用される麹から発見されました。

チロシナーゼを阻害してメラニンをつくらせない働きをします。

その他の美白成分

美白成分は、厚生労働省が認めた美白有効成分以外にも存在します。その代表例をご紹介しましょう。

ハイドロキノン

昔から写真の現像の還元剤として使用されていた成分。写真の現像をする人の手が白くなったことから美白効果が判明し、主にアメリカで化粧品に使われるようになりました。

「肌の漂白剤」と呼ばれるほど美白効果が高く、できてしまったシミを薄くする作用があります。

日本では医療機関での処方に限られていましたが、2001年の薬事法改正により、化粧品への配合が解禁されました。ただし、配合濃度が高いと副作用の恐れがあります。

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アンダーシールダー

資生堂が開発した美白成分。通常メラニンは表皮で生成されるため、多くの美白成分は表皮に作用します。

しかし表皮と真皮の境目にある基底膜の構成物質が減少すると、真皮で生まれる「シミ増殖因子」が表皮に流出することがあり、消えにくいシミの原因になります。

この特殊なメラニンの生成過程をアンダーメラニンルートと呼び、アンダーシールダーには「シミ増殖因子」が表皮に流出するのを防ぐ役割を果たす独自の効果があります。

グラブリジン

漢方薬である甘草の根から抽出された成分。油溶性甘草エキスとも呼ばれ、メラニンの生成に関わるチロシナーゼを抑制します。

保湿効果もあり、美白成分の中でも低刺激なので、乾燥肌や敏感肌の人におすすめです。

美白成分の働きは種類によって異なる

シミの原因は、生成されたメラニンが表皮に残ってしまうこと。

美白成分の働きは、メラニンが生まれる前段階で効くもの、シミができてしまった後に効くものなど、種類によって様々です。

シミの原因はメラニンが表皮に残ってしまうこと

シミの原因はメラニンが表皮に残ってしまうこと。画像は、メラニンが残ってしまってシミが表面化している画像です。

肌は有害な光である紫外線を浴びると、その刺激から身を守るために、メラノサイトという細胞へ「メラニンを生成しろ!」と指令を出します。

するとメラノサイトの中でチロシナーゼという酵素が活性化。アミノ酸の一種である無色のチロシンを酸化させることで、徐々に黒いメラニンへ変えていくのです。

完成したメラニンはメラノサイトから表皮細胞へ受け渡されるのですが、ここでメラニンは表皮細胞の核を包み込み、紫外線のダメージを吸収するバリアとなります。

そして紫外線から表皮細胞を守ったメラニンは、ターンオーバーという肌の新陳代謝により、約28日周期で垢と一緒に排出されます。

しかし加齢や不規則な生活といった様々な要因でターンオーバーが乱れると、メラニンが排出されずに表皮に残ってしまいます。この肌に沈着したメラニンが、シミです。

このように、メラニンが表皮に溜まるまでには様々な過程を辿ります。美白成分は種類によって、どの段階のメラニンに効果を発揮するかが違うのです。

メラニンの生成を抑制する美白成分

メラニンは、チロシンというアミノ酸がチロシナーゼの作用を受けて生成されます。つまりチロシナーゼの働きを阻害すればメラニンが発生しないので、シミの予防になります。

チロシナーゼを阻害する美白成分の代表は、アルブチンとコウジ酸です。アルブチンはチロシナーゼを捕まえてチロシンと結合させないようにしますが、コウジ酸はチロシナーゼが働くために必要な銅イオンを奪う働きをするのです。

またビタミンC誘導体には抗酸化作用、つまり酸化を抑える効果があるため、チロシンを酸化させてメラニンをつくるチロシナーゼの働きを抑制します。

くわえて、チロシナーゼを阻害する以外の方法で、メラニンの生成を妨げる美白成分もあります。ハイドロキノンは、メラノサイトの働きそのものを抑制してメラニンがつくられないように作用するのです。

シミの予防をしたい場合は、これらの美白成分が配合された美白化粧品を使用しましょう。

メラニンの排出を促進する美白成分

メラニンを排出するのは、ターンオーバーです。この働きが乱れると、メラニンがいつまでも表皮に残り、シミになってしまいます。

ターンオーバーの促進に効果的な美容成分は、プラセンタエキスとビタミンC誘導体。プラセンタエキスは成長因子という細胞分裂を促進する成分を持つので、ターンオーバーを整えることができます。

またビタミンC誘導体は、肌の血行を促進して滞ったターンオーバーを促すため、メラニンの排出に効果的。

プラセンタエキスやビタミンC誘導体が配合された美白化粧品を使えば、メラニンの排出が促進されて、シミも薄くなっていきますよ。

生成されたメラニンを還元する美白成分

メラニンの還元とは、黒くなったメラニンを無色のチロシンに戻すこと。つまり、既にできてしまったシミを消すことができるのです。

メラニンの還元作用を持つ美白成分は、現在のところハイドロキノンとビタミンC誘導体のみ。シミの予防ではなく、除去をしたい人におすすめの美白成分です。

ただしハイドロキノンは還元作用が強く、肌への刺激が強いので敏感肌の人はビタミンC誘導体の方をおすすめします。

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美白成分が配合された化粧品の注意点

美白成分はその効果の高さゆえに、リスクも背負っています。ここでは、美白成分を使用するうえで注意すべきポイントを詳しくお伝えします。

美白有効成分は絶対に安全というわけではない

美白有効成分はすべて安全というわけではありません。肌に作用しすぎることにより、白く抜けてしまう肌トラブルが起きたこともあったようです。

先程も説明したように、美白有効成分は厚生労働省に美白効果を認められた成分で、認可を受けるには厳しい審査をクリアする必要があります。

国からお墨付きをもらっているので、認可を受けていない美白成分より安全性が高いのですが、そんな美白有効成分が過去に肌トラブルを引き起こし、社会問題になった事例があります。

問題になった美白有効成分は、カネボウ化粧品が開発した「ロドデノール」。大手企業が開発し、厚生労働省の認可も受けている安全性の高い成分だったため、副作用はほとんどないと考えられていました。

それにも関わらず、ロドデノールが配合された美白化粧品を使用した人が、肌がまだらに白くなる白斑症状を相次いで発症したのです。

白斑症状が確認された人は約2万人にも及び、カネボウ化粧品は現在も和解合意や製品回収といった対応を行っています。

美白有効成分は安全性の高い成分ですが、リスクがないわけではありません。

ハイドロキノンは配合濃度に気をつける

ハイドロキノンは配合濃度に気をつけることが大切です。

ハイドロキノンは、メラニンの生成抑制や還元作用を持ち、「肌の漂白剤」と呼ばれるほど美白効果の高い成分です。

しかし、化粧品におけるハイドロキノンの配合濃度が高いと、副作用の恐れがあるので注意しましょう。

一般的に低刺激で、安全性も高いと言われている濃度が1~3%です。4%になると炎症や赤みが出ることがありますので、必ずパッチテストをしてください。

なお5%の濃度は動物実験で発がん性が指摘されているため、一部の国では使用が禁止されています。10%という高濃度のハイドロキノンもネットで販売されていますが、リスクが高いのでおすすめしません。

また低い濃度でも1年以上の長期使用をすると、メラニンの生成機能がなくなり、色素が抜けて白斑になる可能性がありますので、十分に注意してください。

乾燥肌、敏感肌の人は注意が必要

乾燥肌、敏感肌の人は注意が必要な理由は、美白有効成分が粉末であることが多いからです。例えばビタミンCは水に溶かした後のビタミンCが熱に弱いため、粉末であることが多いです。

美白成分はメラニンの生成を抑制するといった、肌本来の働きを抑え込む働きをするので肌への刺激が大きくなります。

そのため、乾燥肌や敏感肌の人が美白化粧品を使うと肌が荒れることがあるのです。

美白効果が高いほど、それに比例して肌への刺激も大きくなるので、肌の弱い人は美白化粧品を使うのが難しいとも言えます。

また、美白有効成分の原料は粉末であることが多く、これも肌に刺激を与える原因のひとつ。

化粧水・乳液・クリームの中では溶けていますが、肌に塗って時間が経つと浸透しなかった粉末状の有効成分の水分が抜けて肌の上に残ります。これが粉っぽくなり、乾燥した感覚、また時には刺激やかゆみを感じる原因につながります。

しかし、同じ美白成分を配合していても、メーカーによって配合率や他の成分との組み合わせが異なるため、別のメーカーの化粧品なら使えることもあるんです。

「肌が弱いから美白化粧品は使えない」と思わず、いろいろなメーカーの美白化粧品を試してみてください。きっと肌に合うものが見つかりますよ。

敏感肌ブランド ディセンシアのサエルスキンケア(美白ライン)。
ポーラ研究所で発見された『ヴァイタサイクルヴェール』という肌のバリア機能に着目して作られた技術を基に作られた基礎化粧品なので、安心度高めとなってます。

美白成分は目的に合わせて選ぶ

美白成分は目的に合わせて選ぶのが大事。化粧水タイプ・美容液タイプ・クリームタイプ・ジェルタイプなどが存在します。

美白成分の働きは、メラニンが生まれる前段階で効くもの、シミができてしまった後に効くものなど、種類によって様々です。

消えないシミに悩んでいる人が、シミ予防の美白成分を使っても効果はありません。自分の悩みに合わせて、適切な美白成分を選びましょう。

また、美白成分はメラニンの生成を抑制するといった、肌本来の働きを抑え込む働きをするので肌への刺激が大きくなります。

乾燥肌、敏感肌の人はパッチテストをして、自分の肌に合うかどうかを確かめながら選んでみてください。

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