クレンジングが肌を傷める?メイク落としの選び方、使い方

クレンジングが肌を傷める?メイク落としの選び方、使い方。オーガニックスキンケアオラクルのメイクアップリムーバーでメイク落とししてます。

私たちが毎日何気なく使っているクレンジング。

オイルタイプやクリーム、ジェルまでいろいろありますが…よく考えると洗顔料だとダメなのに、クレンジングならどうしてメイクが落とせるのか不思議ですよね。

そこで今回は、クレンジングがメイクを落とすメカニズムや、タイプによってどう違うのかなどなど、知られざるクレンジングのあれこれについて、ちょっとマニアックにお話ししましょう。

クレンジングでどうしてメイクが落ちるの?

メイクを落とせる成分は「油」と「界面活性剤」

メイクアップ製品は、基本的にどれも「油」でできています。ですから、これらをすっきり落とせるのは「油」か「界面活性剤」だけ。洗顔料に入っている、いわゆる普通の洗浄成分ではメイクを落とすことができません。

ですから、クレンジングと呼ばれる製品には、必ず「油」か「界面活性剤」のどちらか、もしくはこの両方が入っています。ただ…オイルタイプやジェル、クリームなどのタイプによって、「『油』と『界面活性剤』のどちらでメイクを落とすのか」が、違ってくるのです。

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そもそも「界面活性剤」ってよくわからないんだけど…

界面活性剤について。東京クリーニング協同組合さんからイラストをお借りしてきました。

「油」はともかく、「界面活性剤」って、ちょっと聞きなれないですよね。もしくは、聞いたことはあるけどどういうものなのかよく知らない人も多いと思います。「界面活性剤」とは、わかりやすくいうと「水と油が混ざる状態にしてくれる成分」のことです。

イメージでいうと、細長いマッチのような形をしていて、もう片方は油にくっつきやすく、もう片方は水にくっつきやすい性質という両極端な性質を備えています。ここで、私たちが野菜を食べるときに使うドレッシングを思い出してください。

ドレッシングは、液体と油が二層に分かれていますよね。ああなっているのは、水と油が混ざらないからです。ところが、そこに「界面活性剤」を入れると白く濁って混ざるようになります。これを「乳化」といいます。

ドレッシングのなかには二層ではなく、白濁したタイプのものがありますが、あれは「界面活性剤」によって乳化させているのです。メイクを流すと、お湯が白く濁りますよね。あれは、極端にいうと白濁したドレッシングと同じ状態になっているわけです。

ちなみに、「界面活性剤」というと、ケミカルっぽくて肌や身体によくなさそう…なんてイメージをもつ人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

界面活性剤は、卵黄やダイズなどにも含まれます。天然、合成との違いはありますが一概に体に害を与えるものではありません。

「界面活性剤」はもともと天然にも存在している成分。たとえば卵黄や大豆などにも含まれています。ちなみにマヨネーズが乳化しているのは、卵黄に含まれる「界面活性剤」のおかげなのです。

メイクが落ちる仕組みはタイプによって違う

「油」で落とすのがクリーム&オイルタイプ

メイクが落ちる仕組みについて解説。「油」で落とすのがクリーム&オイルタイプのメイク落ち方。

では、ここでクレンジングに話を戻しましょう。オイルタイプやクリームタイプのクレンジングは、「界面活性剤」ではなく、配合されている「油」がメイク汚れと結びついて肌から浮かせる仕組みになっています。

ただ、問題はここから先。上でも書きましたが、「油」は水には溶けないので、洗い流しても落ちませんよね。そこで効果を発揮するのが「界面活性剤」。

お湯を流しかけると、「界面活性剤」が、お湯と、メイク汚れをなじませた「油」を結びつけて肌から洗い流してくれるというわけです。

つまり、メイクを落とす仕組みはオイルもクリームも実は同じ。ではこのふたつは何が違うのかというと、使われているベースの基材が違います。オイルタイプはオイルに直接界面活性剤が溶け込んでいます。

いっぽうでクリームタイプは、水分と「油」が「界面活性剤」によって乳化した状態で製品になっています。肌になじませるうちに水と「油」の乳化粒子が壊れて水が蒸発し、「油」と「界面活性剤」だけの状態になることで、初めてメイクとなじみます。

つまり、オイルタイプのクレンジングを使ったのと同じ状態になるのです。

よく、クリームタイプのクレンジングには「指がふっと軽くなるまでなじませてください」「指が軽くなったらメイクが落ちた合図です」というようなことが書いてありますが、あれは「水分が飛んで『油』と『界面活性剤』の状態になった」ということなのです。

クリームタイプクレンジングが試せるサントリー エファージュスキンケアお試しセット体験レポートはこちら。

「界面活性剤」で落とすジェル&ローションタイプ

「界面活性剤」で落とすジェル&ローションタイプ。メイクの落とし方の違いを報告。

ジェルタイプとローションタイプのクレンジングには、「油」はほとんど含まれていません。いってみれば「界面活性剤」の水溶液のようなもので、含まれている「界面活性剤」が直接メイク汚れと結びついて落とす仕組みになっています。

ただ、「油」に比べると「界面活性剤」はメイクを落とす力は弱いので、オイル&クリームタイプに比べると、メイクを落とす力はやや弱くなります。

「洗顔兼用タイプ」や「オイルジェルタイプ」は?

最近は「オイルジェルタイプ」「「ミルクタイプ」「クレンジング兼用の洗顔料タイプ」というような、何タイプといっていいのかよくわからないものもありますよね。オイルジェルタイプやミルクタイプは、中身はクリームタイプとほぼ同じ。

「油」の力でメイクを落とし、「界面活性剤」で洗い流す、という仕組みになっています。洗顔料タイプはメイクと結びつきやすい「界面活性剤」が入っているので、「メイクも落とせます」とうたっているわけです。

ただ、「洗顔兼用タイプ」も「オイルジェルタイプ」も、含まれている「油」や「界面活性剤」は少ないので、メイクを落とす力はどうしても弱くなります。

ジェル状クレンジングが試せるアルケミートライアルセット体験レポートはこちら。

より効果的にクレンジングを使うポイントは?

自分のメイクに合ったタイプを正しく選ぶ

自分のメイクに合わせたクレンジング選びが大事になってきます。

ここで、今まで出てきたクレンジングを「メイクを落とす力が強い順」に並べてみましょう。製品によって違う場合もありますが、一般的に次のようになります。

オイルタイプ
クリームタイプ
オイルジェルタイプ・ミルクタイプ
ジェルタイプ
ふき取りタイプ
洗顔料タイプ

「メイクとなじむスピードが早い」のも、ほぼこの順番になりますから、素早くクレンジングを終わらせたい人や、ハードなメイクをしている人はオイルタイプか、少なくともクリームタイプを使いましょう。

ベタつきが嫌な人や軽いメイクの人は、ミルクタイプやジェルタイプ、ふき取りタイプで充分です。

ただ、ひとつ注意してほしいのはポイントメイク。このうちマスカラやアイラインまできれいに落とせるのは基本的にオイルタイプだけです。それ以外のクレンジングを使っている場合は、アイメイクの専用リムーバーがマストです。

「こすらない・こする回数を減らす」「力を入れない」

cmなどでも話題になっていたファンケルマイルドクリアクレンズ。「こすらない・こする回数を減らす」「力を入れない」がポイントです。

私たちが思っているより、クレンジングをするときに肌にかかる摩擦は相当なもの。あるメーカーの研究によれば、「おでこは6回、頬は5回、目元に至っては40回以上もこすっている」というデータがあります。

おでこや頬はともかく、目元の40回は明らかにこすりすぎ。摩擦による負担は乾燥やしわの原因になるので、しつこいようですが、「肌をこすらない・こする回数を減らす」、「力を入れない」、このふたつを心掛けましょう。

しっかりアイメイクをしている人は専用リムーバーを使うとスムーズに落とせます。

ちゃんと説明書を読んだことがありますか?

クレンジングが肌を傷める?メイク落としの選び方、使い方にて、マナラホットクレンジングの箱側面に記載されている使用方法を写真撮影したので参考資料としてアップします。

クレンジングは身近なアイテムですから、買ってくると説明書や裏書きをまったく読まずに使う人もかなりいます。でもこれはNG。

「1度に使う適正量」「水に濡らしてOKかどうか」「正しい使い方」などのポイントは製品によって微妙に違うので、初めて使う製品については、少なくとも1度、説明書・もしくは裏書きをきちんと読みましょう。

特にチェックしてほしいのが「1度に使う適正量」。多すぎるとメイクとなじむのに時間がかかりますし、少なすぎると摩擦の原因になります。自己流ではなく、その製品にきちんとあった量を正しく使いましょう。

これってどうなの?「ちょっとした疑問」を解決

乾燥肌の人はクリームタイプがいいって本当?

クリームタイプクレンジングは刺激が少ないのか

「オイルタイプよりもクリームタイプのほうが肌が乾燥しにくい」といわれていますが、その理由はクレンジングの成分そのものというより、実はクリームタイプ特有のテクスチャーにあります。

クリームタイプは、肌と指の間にクリームの基材が入り込んで、肌と指との間にクッションのような状態を作り出します。そのため、指と肌のあいだに起こる摩擦を軽減することができる…というわけです。

「私たちが思っているより、クレンジングをするときに肌にかかる摩擦は相当なもの」ということは、先ほどお話ししましたね。クリームタイプはクレンジング時の摩擦を軽くできるので肌が痛みにくい…というわけです。

逆にいうと、たとえクリームタイプのクレンジングを使っていても、ゴシゴシこすると乾燥しやすくなります。

オイルタイプは肌が乾きやすいっていうけど…

「オイルタイプは肌が乾きやすい」というのも、上で紹介したのと同じ理由です。オイルタイプは、肌と指とが密着したような感覚がアップするので、無意識のうちに強く肌をこすりやすくなる、もしくは肌をこする回数が多くなります。

また、最近は角栓を気にする人も多いですよね。毛穴のつまりを落とそうと力を入れる人もいますが、これは逆効果。そもそも角栓はそう簡単には落ちませんし、かえってキメが乱れて余計毛穴が目立つ肌になるだけです。ですから無理に力をかけるのはやめましょう。

ただ、染みついた習慣を変えるのはなかなか難しいもの。「オイルタイプだとどうしても力が入る」とか、「オイルだとやっぱりカサつく」とかいう人は、堅めのクリームタイプやマイルドなミルクタイプに替えたほうがいいかもしれません。

毛穴をすっきりさせるには蒸しタオルが必要?

クレンジングで肌を痛める事例について、毛穴をすっきりさせるには蒸しタオルが必要?なことを写真つきで口コミ報告します。

どうしても気になる角栓。「蒸しタオルで毛穴を開かせてからクレンジングするとすっきりする」という説もありますが、これは正しくありません。

なぜかというと、温めると開くのは「汗腺」といって、「汗が出てくる穴」であって、毛穴ではないからです。温度の変化で、毛穴が開いたり閉じたりすることはありません。

ただ、蒸しタオルで温めると多少肌の表面が柔らかくなります。そのせいでクレンジングとのなじみがよくなりますから、汚れが落ちやすくなる・なじませる動作の回数が少なくてすむ、というメリットはあります。

とはいえ、たとえ蒸しタオルで顔を温めたとしても、劇的に毛穴の汚れが落ちるわけではないので、その点は心得ておきましょう。普通にクレンジングをすれば充分です。

売れ続けるだけの理由がある!人気のクレンジング

クレンジングは数もタイプもたくさんあるので、おすすめをあげるのはとても難しいのですが…最後に、特に厳選してオイルからふき取りタイプまで、7つのクレンジングを紹介します。

クチコミで知られているものもありますが、いつもとはちょっと違う視点で紹介します。

ファンケル マイルドクレンジングオイル

ファンケル マイルドクレンジングオイルはこれが現品になります。

テレビのCMでもおなじみですよね。でもこのオイルがすごいのは、上でもお話しした「オイルタイプならではの弱点」を補っている点です。オイルにクッション性をもたせることで、肌と指との摩擦を起こりにくくしているのです。

確かに、なじませると普通のオイルとは違う独特の厚みを感じることができます。オイル特有のなじみのよさはそのまま、肌を痛めることなくきれいにメイクオフできるというわけ。オイルだと肌があれるという人でも安心して使えます。

もちろんマスカラやアイメイクもすっきり。専用リムーバーも不要です。

専用リムーバー不要!とちまたで話題のファンケルマイルドクレンジングオイルがおまけでついてくるスキンケアお試しセット公式ページはこちら。

シュウ ウエムラ アルティム8 スブリム ビューティ クレンジング オイル

美容業界から絶大な信頼を得ているシュウ ウエムラ アルティム8。一般的なチュプにはちょっとお高いかも。

植村秀氏は、1960年代にハリウッドで活躍した日本人初のメイクアップアーティスト。当時ハリウッドでは、撮影用のハードなメイクをオイルで落とす習慣がありました。それを日本に持ち込んだのが植村氏です。

今でこそ「オイルタイプのクレンジング」は当たりまえになっていますが、ひと昔前の日本人にとって、オイルで顔を洗うなど信じられないことでした。彼は自分のブランドを作り、日本人にも受け入れられやすいクレンジングオイルを数多く開発しました。

現在、シュウ ウエムラのクレンジングオイルは全部で6種類。なかでも高く評価されているのがこれ。何と8種類もの植物オイルをブレンドしたという贅沢さです。

余談ですが…2007年に植村氏は亡くなりました。葬儀では参列者にクレンジングオイルが配られたといいます。

コスメデコルテの「AQミリオリティ リペア クレンジングクリーム

あの「コスメデコルテAQ」のなかでも、知る人ぞ知る超人気商品。「エステにいったあとみたいにモッチリする」「クレンジングする前よりも肌がうるおう」「一度使ったらやめられない」と、高い評価を受けています。モデルや美容ジャーナリストなど、美容のプロたちにも愛用者が多い逸品です。

事実、洗い流したあとの肌は本当にびっくりするほどしっとり。超乾燥肌の人やヒリつきやすい人には本当におすすめ…なのですが、ただし値段もそれなりに高いので、予算に余裕がある人向けかもしれません。

タカミ タカミクレンジング

タカミ タカミクレンジング。ピーリングが有名になったタカミのクレンジング料。

芸能人も数多く通う、表参道「美容皮膚科タカミクリニック」の高見医師が開発したジェルタイプのクレンジング。クレンジング中に肌を痛めることがないよう、クッション性に富んだ基材をベースにしているのが特徴です。

洗い上がりはカサつきのないサラサラ&すべすべ。まったくベタつかないのでオイリーな人・オイリードライな人でも快適に使えます。

ちなみに「ジェルタイプだからあんまり落ちないんじゃない?」と思うかもしれませんが、汚れ落ちは驚くほどすっきり。それどころか肌トラブルの原因になる酸化した皮脂まできれいにオフできます。ただしアイメイクは落ちないので、専用リムーバーを併用して。

オルラーヌ オリゴ ヴァイタライジング クレンザー

オルラーヌ オリゴ ヴァイタライジング クレンザー。@コスメでもじわじわクチコミされていました。

オルラーヌは終戦直後にフランスで生まれたスキンケアブランド。もともと香水を扱っていましたが、その後スキンケア分野も強化してエステティシャンの育成なども行うようになりました。

なかでも人気が高いのがこのミルククレンジング。日本ではあまりミルクタイプが評価されていなかった20年以上前から、知る人ぞ知る名品として長く売れ続けています。

ちなみにフランス式らしく、「なじませたあとはふき取る」「洗顔料とのセットづかいを推奨しない」のも特徴。夜はこれで2回クレンジングを繰り返し、朝は洗顔料代わりに使います。

超乾燥肌の人や敏感肌の人のなかには「これのおかげで肌が持ち直した」という人も少なくありません。

ドクターハウシュカ クレンジングミルク

ドクターハウシュカ クレンジングミルク。

ナチュラルコスメブランドとして有名なドクターハウシュカですが、一躍人気に火が付いたのがこのクレンジングミルク。天然の成分だけで作られているので、肌の調子が不安定な人はもちろん、オーガニックコスメ好きの人にも向いています。

ただ、「湿らせたコットンやホットタオルでふき取る」という使用方法が独特。ちょっと面倒くさいと思う人もいるかもしれません…が、生粋のナチュラルコスメならではの香りのよさと優しい使用感がやみつきに。

汚れ落ちはかなりマイルドなので、どちらかというとナチュラルメイク派の人に向いています。

ビオデルマ サンビシオ エイチツーオー

ヨーロッパ生まれのビオデルマ サンビシオ エイチツーオー。さすが水が貴重なヨーロッパで生まれただけあって、クレンジングなのですが、洗顔の役割を果たすみたいです。

ビオデルマは、もともとはフランスの薬学研究者によって作られたブランド。日本でこのブランドが知られるようになったきっかけが、まさにこの「エイチツーオー」。メイクも落とせますが、洗顔もこれでOKというクレンジングウォーターです。

日本では、正式に上陸する前からフランス土産として有名で、なかでもこれを支持したのはジェットセッター、つまりよく海外旅行をする人たちでした。機内では顔を洗えませんが、これでふき取るとクレンジングも洗顔もすむうえに全然つっぱらない! 乾燥しない!と評判になりました。

「ふき取りクレンジングウォーターだけど敏感肌向け」というのが何とも心強い限りで、日本上陸後は大人気に。もちろん敏感肌ではない人にもおすすめです。

いかがでしたか? ぜひ、次に使うクレンジングを選ぶときの参考にしてみてください。毎日使うものだからこそ、よりこだわって、そして何より正しく使うように心がけたいものですね。

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