知ってるようで意外に知らない、入浴剤の効果と選び方とは?

知ってるようで意外に知らない、入浴剤の効果と選び方とは?お風呂(湯船につかる)メリットについて考えました。イメージ画像となります。

お風呂はまさに美容の基本。温かいお湯につかるとコリもほぐれてストレス解消にもなります。

そこで活用したいのが入浴剤。入れるとちょっと贅沢な気分も味わえるので、おすすめです。

でもよく考えてみると…入浴剤ってどう選べばいいか、よくわからないですよね。そこで今回は入浴剤の選び方を詳しく説明します。意外に知られていない入浴剤のあれこれについても、あわせて見てみましましょう。

「入浴剤」っていう呼び名は存在しない?

入浴剤の種類と特徴を知っておこう。アユーラのメディテーションバスは浴用化粧料という扱いになっていました。

ちょっとトリビア的な話ですが、法律的な視点からいうと、「入浴剤」という呼び名は存在しません。市販されている入浴剤は、正式には4つの種類にわかれます。「医薬品」と「浴用剤(医薬部外品)」、そして「浴用化粧品」「雑貨」です。

このうち、現在市販されていて手に入れやすいのは「浴用剤(医薬部外品)」と「浴用化粧品」です。「医薬品」の入浴剤は完全な「薬」ですが、「浴用剤(医薬部外品)」は、厚生労働省から「薬ではありませんが、ある程度の効能・効果がありますよ」と効果が認められている入浴剤です。

ただし、効能効果の対象は限られていて、「疲労回復、あせも、しっしん、にきび、ひび、あかぎれ、しもやけ、荒れ性、うちみ、くじき、肩のこり、神経痛、リウマチ、腰痛、冷え性、痔、産前産後の冷え性」の17種類。

おかしな話ですが「浴用剤(医薬部外品)」には、基本的にこの17種類以外への効果があってはいけないことになっています。

なぜかというと、「浴用剤(医薬部外品)」は薬ではなく、あくまで「医薬部外品」だから。薬ではないので、「薬のような劇的な効果」があってはいけない、と法律で決められているのです。つまり、間違っても「ダイエットに効く」とかうたってはいけないわけです。

入浴剤のパッケージの裏書きを見みると、どこのメーカーの入浴剤でも同じような文言が書いてありますよね。ほかに書くことないのかといいたくなりますが、法律を守るためにはあれ以外は書けないのです。

もうひとつの「浴用化粧品」は、法律上は「化粧品」の一種。法律の言葉を借りると、「人体を清潔にし、美化し、皮膚や毛髪を健やかに保つことを目的」とするアイテムです。

つまり、「身体の不具合を改善する効果はないが、肌をきれいにすることはできる」というわけです。逆にいうと、これまたそれ以上の効果があってはいけない…ということになっています。

さて、難しい話はここで終わりにして、次からは入浴剤をどう選べばいいのか、そのポイントを具体的にお話ししましょう。

入浴剤の種類と特徴を知っておこう

今度はもっとわかりやすく身近な視点に切り替えましょう。現在、私たちが買うことができる入浴剤は、ざっくりと以下のように分けることができます。

1、ミネラル系

知ってるようで意外に知らない、入浴剤の効果と選び方とは?ミネラルってこんなこと。

市販されている入浴剤のなかでいちばん多く、また手軽な値段のものが多いのがこのタイプ。温泉由来の成分や、温泉に似た成分、つまりミネラルが配合されています。

ミネラルが肌のタンパク質と結合して膜を作って身体から熱が逃げるのを防ぐので、湯冷めしにくいのが特徴です。よく「○○○の湯」という温泉地の名前が入った入浴剤がありますが、あれがまさにこのタイプの典型。

また、最近は「発汗できる!」「クールな感触」というようなものも見かけますが、基本的にはこのカテゴリーに入ります。植物成分などをブレンドすることで、プラスアルファの効果を演出しています。

2、炭酸ガス系

浴用入浴剤の炭酸ガスのボール。

有機酸をいくつか組み合わせることで、炭酸ガスを発生させます。バスタブに入れるとシュワッととける、あのタイプです。

タブレット型のものが多く、ひとつが1回分。炭酸ガスは肌から吸収されると血管を拡張させ、血流量を増やす働きがあるので、血行を促進して冷えを改善したり、疲労を回復させたりする効果があります。

また、「1のミネラル系」と同じで、何らかの成分をプラスして清涼感やハーブの香りを演出するものもあります。ドラッグストアなどでも気軽に買えますが、「ミネラル系」に比べると、やや値段が高いのが特徴です。

3、スキンケア系

タイプとしては「1のミネラル系」ですが、さらに植物成分やセラミドなどの保湿のための成分や、肌をつるつるにする酵素などを配合したタイプです。化粧品のブランドがたまに高級な入浴剤を出していますが、あれはまさにこのタイプだと思っていいでしょう。

顆粒タイプもありますが、液状タイプのものも珍しくありません。うるおい感を演出するためか、入れるとお湯が白濁するものが多いようです。翌日も肌がしっとりしています。

4、生薬系

知っているようで以外に知らなかった入浴剤。これは生薬系の入浴剤のイメージ画像です。

ショウガやミカンの皮など、昔から肌にいいとされている生薬の成分をメインにしているタイプ。カモミールやラベンダーなど、ハーブの成分を配合したものもこのカテゴリーに入ります。

使う植物によって効果はさまざまですが、血行促進する・肌あれを防ぐ、などの効果があります。ただ、いちばんの特徴はやっぱり「香りのよさ」でしょう。ハーブにしても生薬にしても、植物由来のナチュラルな香りが気持ちを落ち着かせてくれます。

「お風呂に何を期待するか」で入浴剤を選ぼう

お風呂に何を期待するかで違ってくる入浴剤の選び方を写真つきで紹介してます。左上からgreen tea bomb、左下はorange peel bath bomb、ミネラル、発泡系のバスボムとなってます。

選ぶポイントとしては、「お風呂にどんな効果を期待するか」や、また「続けやすい値段のものかどうか」などを基準にして考えるといいでしょう。「①ミネラル系」は比較的手ごろな価格のものが多いですが、それ以外はやや高い傾向があります。

「1のミネラル系」が向いている人
・お風呂に入ってから寝るまでの時間が長い人
・続けやすい値段のものを探している人

「2の炭酸ガス系」が向いている人
・疲れ切っていて体調を回復させたい人
・ひどい冷え性の人 ・頑固な肩こりがある人

「3のスキンケア系」が向いている人
・肌がカサつきやすい人
・アトピーなどのトラブルがある人

「4の生薬系」が向いている人
・ハーブや漢方薬に抵抗がない人
・香りでリラックスしたい人

入浴剤といえば、この会社をチェック!

最後に、入浴剤に特に精通している3つの会社を紹介しましょう。

炭酸ガス系入浴剤のパイオニア「花王」

炭酸ガス系入浴剤のパイオニア「花王」発泡系の入浴剤では超有名な商品バブです。

花王は、健康と美容のための重要なポイントとしていち早く「血行促進」に着目していました。入浴は毎日の生活のなかで無理なく血行促進ができる行為ですから、花王が入浴剤の開発に取り組むようになったのは自然の流れだったのです。

そして行き着いたのが炭酸ガス。「炭酸ガスは抹消血管を拡張する作用がある」「皮膚から吸収される炭酸ガス濃度に比例して血流量が増える」という事実に着目して、1983年、あの「バブ」を作り出しました。

「バブ」は今では誰もが知っているブランドですが、それまでは入浴剤といえば顆粒が普通。タブレット型で、しかもシュワシュワと溶ける入浴剤はとても画期的でした。

当時はタブレットの入浴剤を作る機械すらなかったので、安定した品質のものを作れるようになるには、試行錯誤の連続だったそうです。

ちなみに「バブ」以外にも、保湿効果に特化した「エモリカ」や「ビオレU」の入浴剤なども販売されています。

花王の入浴剤と同じく、炭酸ガスの肌新陳代謝効果に基づいて作られた炭酸パックが試せるドクターメディオントライアルセットの写真つき口コミはこちら。

社名を変えて古くからの伝統を受け継ぐ「バスクリン」

バスクリンは、もともと医薬品会社の「株式会社ツムラ(旧:津村順天堂)」という会社が作っていた製品の名前でした。ツムラは漢方薬局からスタートした会社でしたから、生薬のノウハウがあったのです。

それを生かして、1897年に日本初の入浴剤「中将の湯」を発売します。これがもととなって、その後1930年に発売されたのが「バスクリン」。1930年というと太平洋戦争よりも前ですから、ツムラの入浴剤の歴史がいかに古いか、よくわかりますよね。

戦後もバスクリンブランドは順調に成長しましたが、やがて業績が悪化し、さらには創業家の背任事件のために、事業整理に追い込まれます。バスクリンを作っている部門は独立することになり、紆余曲折をへて「株式会社バスクリン」となったのです。

今では「バスクリン」のシリーズだけでなく、各地の温泉を彷彿とさせる「日本の名湯」シリーズや、炭酸ガスに着目した「きき湯」シリーズなど、さまざまなコンセプトの入浴剤を作っています。

バスソルトですっかりおなじみになった「クナイプ」

入浴剤の種類について、クナイプについて、自然の摂理に逆らわないように作られたアイテムの製造販売を行っているドイツのメーカーです。

クナイプといえば、ハーブを使ったバスソルトが有名ですよね。クナイプはドイツのハーバルブランドで、1800年代に実在した神父、セバスチャン・クナイプがきっかけで生まれたブランドです。

クナイプ氏は25歳のとき、肺結核にかかってしまいます。当時不治の病とされていた肺結核を治すため、修道院にあった蔵書をもとに、「冷水で身体を冷やす」「運動で身体を温める」のを繰り返す治療法を考え出します。

そこに、古くから修道院に伝わる薬草、つまりハーブの研究を組み合わせたのです。やがて薬剤師と協力を得て、クナイプ社が創業されました。「植物由来成分を使用」「パラベン・パラフィン、鉱物油などを不使用」「動物実験を行わない」など、自然に逆らわない企業理念をかかげています。

バスソルトには地下460メートルからくみ上げた海水を伝統的な方法で精製した岩塩を使用。そこに組み合わせるのが天然ハーブのエッセンシャルオイル。

おなじみのラベンダーはもちろん、美白効果があるといわれるワイルドローズや、鼻づまりにも効果的なユーカリなど、さまざまなタイプがそろっています。

オーガニック材料を使ったナチュラルな基礎化粧品を販売しているオラクルトライアルセットを使った感想はこちらにまとめてみました。

選ぶ楽しみを味わえるのも入浴剤の楽しみ

私たちの生活にとても身近な入浴剤ですが、実はその世界は奥深いんですね。

気になる会社のものを選ぶもよし、好みのタイプから選ぶもよし。上手に活用して、ぜひ毎日の美容にお風呂&入浴剤を活用しましょう。

また、自分で使うだけでなく、ちょっとしたギフトに入浴剤を考える人も多いですが、送る相手の好みを考えてあげると、さらによろこばれるかもしれません。

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