無添加化粧品=肌に安心・安全とは限らない!その理由とは

無添加化粧品が肌にやさしいとは限らない、その理由を調べたので報告します。

あなたが思う『無添加』のイメージはどのようなものでしょうか?

肌に優しい?刺激が少ない?天然由来成分でつくられている?合成成分が含まれていない?無添加とは、添加物を含まないことを意味していますが、実際のところ何が添加物なのかよくわかりませんよね。

しかし、知っておかないと、『無添加』という言葉に踊らされてしまいます。「なんだか良さそう」だけで、化粧品を選ばないよう正しい知識を身につけましょう。

無添加化粧品の無添加って・・・?

無添加、最近は化粧品や食品でよく目にするのではないでしょうか?無添加とは、その名の通り添加物を含んでいませんよという意味です。ここでは、化粧品に対する無添加について紹介します。

化粧品は、化粧水なら水をベースにクリームなら油分をベースにつくられます。ベースにいろいろなものを『添加(=付け加える)』ことで、保湿や美白といった効果をもつ化粧品が完成します。

つまり、添加物と聞くと体に悪い印象ですが、添加物がなければ、化粧水はただの水でしかないのです。だからといって、なんでも添加していいのかというとそういうわけにはいきません。

たとえば、化粧水の使用感をさっぱりする・殺菌するためにアルコールを使用します。しかし、アルコールの種類や配合量が多くなると、肌の乾燥や肌が赤くなる場合があります。

アルコールフリーなのに、アルコールが入っている!?

アルコールフリーと書かれている化粧品には、アルコールが含まれていないという認識を与えます。しかし、本当のところはアルコールの一種である『エタノール』を使用していないということです。

全成分表示欄をみると、エタノールは使っていないけど、『フェノキシエタノール』などを使用していることがわかります。つまり、完全に1滴たりともアルコールを使っていないわけではないのです。

無添加化粧品の多くは、旧指定表示成分に分類される鉱物油・合成着色料・合成香料・防腐剤・石油系合成界面活性剤のいづれか、もしくはすべてを配合していないものを『無添加』と呼んでいます。

防腐剤を使用せずに、防腐効果を得るには、製造過程を無菌にすることや防腐効果のあるフェノキシエタノールなどの割合を多くする方法があります。

他にも早く使い切れるよう小さめの容器での販売などがありますが、どれもコストが高くつくというデメリットがあり、その分化粧品の値段が上がります。

オーガニック化粧品と無添加化粧品の違い

オーガニック化粧品とは、農薬や化学肥料を使用せずに育った植物を加工したものです。国や団体により、「どれくらい有機栽培されたものを配合すればオーガニック化粧品と呼ぶか」という基準は異なります。

日本では、日本独自のオーガニック化粧品に対する基準がないため、海外の基準をもとに販売しているものが一般的です。

無添加化粧品とは、添加物を含まない化粧品のことです。しかし、無添加化粧品についても、明確な基準がありません。そのため、旧指定表示成分(102種+香料)をひとつでも含まなければ無添加化粧品をして販売できるようになっています。

旧指定表示成分とは?

旧指定成分のイメージ画像。試験官に指定成分などの薬品が入っているイメージです。

旧指定表示成分とは、肌アレルギーを起こす可能性のある成分のことです。特に、鉱物油・合成着色料・合成香料・防腐剤・石油系合成界面活性剤に関しては、肌トラブルが比較的起きやすいにもかかわらず、今現在も多くのコスメに配合されています。

技術の進歩により旧指定表示成分に分類される成分であっても、安全性が高まっている成分もあります。使ってみないとわからないというのが現状なので、できるだけそのリスクを減らした無添加化粧品が選ばれるようになっています。

以下、5つの特に気をつけたい成分です。5つの成分に代わるものが無添加化粧品には配合されています。

しかし、鉱物油・合成着色料・合成香料・防腐剤・石油系合成界面活性剤が配合されていないからといって肌に安心とは言い切れないので、しっかり配合成分をチェックするようにしましょう。

鉱物油

クレンジングやクリームなど油性成分がメインの化粧品で鉱物油不使用と書かれています。鉱物油は、石油が原料になりミネラルオイルやパラフィンと記載されている場合もあります。石油そのものが使われているわけではありませんが、未だに皮膚のトラブルが起きている成分です。

合成着色料

メイクアップ化粧品だけではなく、基礎化粧品にも商品をより良く見せるために着色料が使用されています。しかし、基礎化粧品において着色の必要性はあまりありません。天然成分がもつ色以外の合成着色料は発ガン性の心配もあることから避けるようにしましょう。

合成香料

着色料が目で楽しむものなら、香料は鼻で楽むものです。特に、香りというのはダイレクトに脳に影響を与えるので、香料の質が重要になります。

エッセンシャルオイルなど天然精油はリラックス効果や気持ちのコントロールをしてくれま<すが、合成香料はホルモンのバランスを崩したり、鼻から吸収し脳に悪影響をもたらすこともあります。

香料は、表示成分欄では香料としか記載されないため、どんな香料を使用しているか見分けがつきにくいものですが、できるだけ自然な香りを使ったものを選ぶようにしましょう。

防腐剤

化粧品をつくる上でなくてはならない成分の一つである防腐剤。パラベンやフェノキシエタノールといったカタカナは知っていることでしょう。このような成分は、ごく少量で菌が繁殖しやすい化粧品を安定した状態で保つ役割をします。

しかし、殺菌作用や防腐作用が肌にとって刺激となったり、乾燥やホルモンバランスを乱す原因になる成分でもあります。防腐効果は、なくてはならない作用ですが、肌が弱い方や季節の変わり目、ストレスを抱えているときは特に控えたい成分です。

石油系合成界面活性剤

界面活性剤には、成分を肌にしっかりと浸透させる働きや水と油性成分を混ざりやすくする働き、汚れを除去する働きなどがあります。

しかし、安価な合成界面活性剤は、肌への浸透が強すぎて肌を乾燥させたり、バリア機能を低下させるという側面もあります。界面活性剤も化粧品づくりにはなくてはならないものですが、どんな界面活性剤が配合されているかは知っておきたいものです。

無添加化粧品を使えば、安全?

無添加化粧品には、明確なルールがありません。つまり、何をもって無添加化粧品と謳うかは、販売サイドに委ねられています。

成分に独自の基準を定めて、無添加化粧品を製造しているメーカーもあれば、旧指定表示成分を一つだけ配合しないことで無添加化粧品として堂々と販売しているメーカーもあります。

旧指定表示成分は、確かに肌アレルギーを起こす可能性がある成分ですが、旧指定表示成分以外にも、肌質によってはアレルギーを起こす場合もあります。パラベンの代わりに配合された防腐効果のある成分が肌に合わないこともあるのです。

そう考えると、無添加化粧品=安全という考え方は間違っています。大切なのは、無添加であるかということではなく、自分の肌に合っているかどうかです。肌に良さそうというイメージで化粧品を選ぶのは危険ですよ。

全表示成分の落とし穴

2001年の薬事法改正が行われたことで、化粧品には全成分表示が義務付けられました。この法律改正により、何が使われているかを知ることができるようになりましたが、その反面自分で成分を確認し選ぶ必要が出てきました。

全成分表示されるからといっても、わたしたち消費者からすると何がどんな役割かを知ることは難しいでしょう。しかし、その成分をインターネットなどで調べることは簡単になりました。何が良くて、何が良くないのかは自分自身で判断しなさいということですね。

ちなみに、一般化粧品の表示成分欄は、配合量の多い順に記載されています。が、香料はまとめて香料と記載されていたり、配合量が1%未満のものは記載する義務がないことから表示成分欄を見ただけでは本当にすべての成分を知ることは難しいかもしれません。

一般化粧品には、全成分配合量順に記載がありますが、医薬部外品は有効成分とその他の成分で分類わけされています。そのため、有効成分が表示成分欄の一番初めに記載されていても最も多く配合されているわけではありません。

無添加化粧品だからといって油断は禁物

無添加基礎化粧品のイメージ画像。ムダな添加物を含まないイメージ。

無添加化粧品をひとまとめにして良いか悪いかを判断することは、できません。ひとつひとつのメーカーによって、無添加に対する定義やルールが違うからです。

2001年の薬事法改正から全成分表示になったことは、わたしたち消費者が自分で選ぶ選択肢が広まったという味方ができます。それだけでなく、自分自身で安全をチェックする必要が出てきたということでもあります。

しかし肌に合うかどうかは、実際使ってみないとわからないことがほとんどです。無添加化粧品だから肌に良いという選び方ではなく、何が必要かを見極めることが大切です。

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