さらに知識を深めたい!女性医師がプラセンタについて徹底解説!基礎知識編

さらに知識を深めたい!女性医師がプラセンタについて徹底解説!基礎知識編

今回のテーマは原点に戻って(?)プラセンタを取り上げることにしました。

健康や美容に関心のある方にとっては、男女問わず必需品ともいえる定番アイテムであり、“何を今さら…”と思われる内容かもしれませんね。

しかし、世の中に広く知れ渡るにつれて、誤った情報や認識も広まっていく危険性があります。

このコラムではプラセンタについて4回に分けて解説していこうと思います。まずPart1の今回は、プラセンタそのものについての一般的な基礎知識に関する内容です。

できる限りわかりやすく書いていきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

プラセンタってなに?

英語のPlacentaを直訳するとズバリ、『胎盤』ということになります。

胎盤を注射したり、飲んだり、塗ったり、というと抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、製品として胎盤そのものを使用するわけではありません。

正確には胎盤から抽出したプラセンタエキス(プラセンタ抽出物)を用いています。

胎盤は、哺乳類が母体から胎児へ酸素や栄養を与えるために重要なパイプを果たしている臓器です。そのために、様々な細胞の成長を促進させたり、身体を作るために必要な栄養素がたっぷり含まれているのですね。

その中から特に必要な要素を抽出してプラセンタエキスにするのです。

一般的に「プラセンタ」と呼ばれているものは、胎盤そのものではなく、抽出されたエキスの有効成分が多様な形状にされて、健康や美容に用いられていという認識でよろしいかと思います。

胎盤の構造

プラセンタに含まれる成分

いきなり「なにそれ難しい!」と思うような内容になってしまったかもしれませんね。

ですが、ひとつひとつを完璧に覚えるというよりは“こんなにたくさんの成分が入っているんだ!”という感じで、何となく全体像を把握しながら流し読みしていただければよろしいかと思います(笑)。

出産後とは異なり、胎内において自力では十分な生命活動ができない胎児にとって、胎盤は各臓器の機能の代役として働かなければなりません。

そのため、胎盤は多方面にわたって生命活動を維持するために必要な成分を含んでいるのです。

胎盤に含まれる主要な栄養素

アミノ酸ロイシン、リジン、バリン、スレオニン、イソロイシン、グリシンアルギニンなど
タンパク質アルブミン、グロブリンなど
脂質・脂肪酸コレステロール、ホスファチジン酸、ラウリン酸、パルミチン酸など
糖質グルコース、ガラクトース、ショ糖など
ビタミンビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシンなど
ミネラルカルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、亜鉛、鉄など
活性ペプチド薬理活性の中心となって働く成分
ムコ多糖体ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など
核酸DNA、RNA、および代謝産物
酵素アルカリフォスファターゼ、酸性フォスファターゼなど100種類ほど

胎盤に含まれる主要な細胞増殖因子

細胞増殖因子とは、その名前の通り、胎児の細胞の分化と増殖を促進して、臓器を成長させるためのものです。また、癌化を抑制する働きも持っています。

細胞増殖因子は、細胞を増やして各器官を成熟させるため、近年では再生医療やエイジングケアなどにも利用されていますよね。

美容に精通しておられる方であれば、EGFやFGFなどは一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

肝細胞増殖因子(HGF)肝臓の実質細胞や各組織の細胞の増殖
神経細胞増殖因子(NGF)知覚・交感神経節細胞の増殖
上皮細胞増殖因子(EGF)皮膚、肺、角膜、気管上皮細胞の増殖
線維芽細胞増殖因子(FGF)ヒト線維芽細胞、グリア細胞、気管上皮細胞の増殖
インシュリン様成長因子(IGF)軟骨細胞、平滑筋細胞の増殖
形質転換増殖因子(TGF)非形質転換細胞を可逆的に形質転換細胞に転換
※難解すぎるのでスルーで大丈夫です
免疫力向上の成長因子
コロニー形成刺激因子(CSF)免疫を担当する顆粒球、マクロファージなどの幹細胞の増殖
インターロイキン1(IL-1)免疫を担当するT細胞、B細胞、NK細胞や胸腺細胞の増殖、リンホカインの産生を促進
インターロイキン2(IL-2)各種T細胞(ヘルパーT、キラーT、サプレッサーT)の増殖
インターロイキン3(IL-3)造血幹細胞、肥満細胞の増殖
インターロイキン4(IL-4)B細胞の増殖、抗体産生細胞への分化を促進

プラセンタの効果や効能って?

この点が最も気になるところなのではないでしょうか? プラセンタは非常に多くの因子を含んでいるため、あらゆる細胞に働きかけ、様々な症状を改善できる可能性があるといっても過言ではないでしょう。

そのため今回の基礎知識編では、プラセンタによって期待される効果を全般的にご紹介していきたいと思います。

主にお肌に関する美容や女性と特に関わりの深い効果・効能については次回コラムで詳細にご説明する予定です。

美白効果、シミ改善

プラセンタに含まれている成長因子には、機能が弱まってしまった細胞を活性化させ、正常に戻して、お肌のターンオーバーを促進させるという働きがあります。

紫外線などの外部刺激を受けてお肌の表面にダメージが加わったとき、奥で待機している新しい細胞が表面に出てくることで、美白効果が期待できるのです。

ターンオーバー

プラセンタには抗酸化作用があり、お肌の酸化を防ぐため、活性酸素による炎症や、メラニン色素の沈着によるシミを起こりにくくさせます。また、紫外線や乾燥による表皮性のシワ(ちりめんジワ)の予防・改善も期待できます。

美肌作用、肌質改善

プラセンタに含まれる栄養素や細胞増殖因子の働きにより、お肌を若返らせる作用が期待できます。
成長因子や上皮細胞増殖因子(EGF)、アミノ酸、核酸などにより、お肌の新陳代謝が促進、つまりターンオーバーが正常に保たれるというわけですね。
プラセンタそのものにヒアルロン酸が含まれていますし、間接的にもヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどお肌の弾力と潤いの保持に欠かせない成分の産生がアップするよう働きかけます。
そのため、お肌の保水力が高まり、保湿されたもちもちお肌につながります。

お肌の内部構造

プラセンタは、美肌をキープするために不足している成分を補充するわけではなく、ご自身の体内で必要な成分を作り出す作用によって、お肌のを美しくしたり肌質改善へ導いたりするのです。
この作用によって、保湿だけでなく、シワ対策やたるみにも効果が期待できると考えられます。

アンチエイジング効果

加齢は心身に多様な変化をもたらすもの。

原因は生理機能の低下、つまり細胞の働きが弱くなってしまったり、止まってしまったりすることです。生理機能が低下するに従い、あらゆる部位の新陳代謝も低下します。

プラセンタは個々の細胞を活性化させ、不調や変調を予防、改善する作用があります。

Eriko's 豆知識

例えば、お肌を例に挙げてみましょう。

お若い方にはピンとこないかもしれませんが、年齢とともにシミやしわ、くすみ、たるみなどお肌のお悩みやトラブルは増えてくるものです。

プラセンタは、機能が低下して疲れ切った細胞に働きかけ、新陳代謝を促進させることで、お肌の細胞そのものを若返らせ、これらの症状を改善させてくれるのです。

お肌の修正能力や再生能力が復活し、ツルツルお肌だった頃に近づける、というわけですね。

新陳代謝アップ、ダイエット

新陳代謝アップ、ダイエット

プラセンタには、機能の弱まった細胞活動を活性化させる働きがあり、全盛期の高い基礎代謝(労働や運動など特に何もせず過ごした場合にも必要なエネルギー消費)に近づける効果が期待できます。

これは、プラセンタに含まれるアミノ酸、核酸、成長因子などの成分の作用が大きく影響しています。

基礎代謝が上がることにより、脂肪の燃焼が促進され、ダイエットにもつながります。

しかし、プラセンタによるダイエットは、新陳代謝を促すことで基礎代謝を上げ、太りにくい身体をつくるという体質改善に近い方法ですので、即効性はありませんのでご注意を。

女性ホルモンバランスの安定

女性ホルモンバランスの安定

美容や健康に対する効果ばかりが注目されがちですが、プラセンタにはホルモン分泌の量をコントロールして、自律神経の乱れを整えるという作用もあるのです。

女性の場合は特に、女性ホルモンが身体および精神の状態に大きく影響するため、ホルモンバランスの安定が健全な心身を保つポイントとなってきます。

月経や更年期など女性特有の生理現象だけでなく、現代社会におけるストレスや生活習慣が原因となり、女性ホルモンのバランスが乱れてしまう場合もあります。

女性ホルモンの分泌が低下すると、月経不順や不妊、骨粗鬆症といった身体の症状だけでなく、不安感やうつ状態など精神面にも症状が現れます。

プラセンタが持つ自律神経・ホルモンバランス調整作用は、このような不調において、女性ホルモンの正常な分泌に重要な役割を果たしてくれる強い味方です。

自律神経の調整作用、精神状態の安定

自律神経の調整作用、精神状態の安定

プラセンタには自律神経を調整する以外にも、抗ストレス作用があるため、うつ状態などを緩和し、精神状態を落ち着かせる効果が期待できるのです。

前項に関連することですが、女性ホルモンのバランスの乱れは自律神経の不調を引き起こします。

女性ホルモン(エストロゲン)分泌の低下により、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンが減少してしまい、その結果として精神状態に直接作用するドーパミン、ノルアドレナリンという物質の分泌がコントロールできなくなるのです。

ドーパミンやノルアドレナリンは、快楽や学習、意欲などの向上に不可欠な神経伝達物質で、ホルモン分泌を調整するという働きもあります。

つまり、女性ホルモンバランスを安定させることは、他のホルモンや物質の分泌を正常化させるため、自律神経の調整作用と深く結びついていることになります。

また、うつ状態あるいはうつ病を引き起こす原因は様々ですが、セロトニンが大きく関与していることがわかっています。

プラセンタによるホルモンバランス調整、自律神経調整の働きにより、セロトニン分泌がコントロールされ、症状の緩和や改善が期待できるというわけですね。

Eriko's 豆知識

自律神経失調症やうつ病の治療には、症状の程度により薬剤内服が行われる場合があります。

内服を長期間続けていくと耐性ができてしまい、薬の種類を変えたり、より作用の強いものに変更したりする必要が生じてしまいますが、プラセンタの摂取では耐性ができません。

プラセンタだけで精神状態の安定が確約されるわけではありませんが、補助的に使用してみるのもひとつの手段だと思いますよ。

育毛効果、抜け毛改善

抜け毛や薄毛は男性だけの悩みではなく、近年では女性の方が多いともいわれていますよね。

女性ですと、更年期あたりから女性ホルモンの分泌低下により髪の毛が薄くなったり抜けやすくなったりします。

プラセンタに含まれる成長因子は、髪の毛の成長に必要な毛母細胞に働きかけ、正常な発毛と育毛を促す作用があります。

また、抜け毛や薄毛の原因となる血行不良にもプラセンタの効果が期待でき流のです。

髪の毛の発育のためには充分な栄養が必要なのですが、血行が滞っていると重要臓器が優先されてしまい、髪の毛にまで栄養が行き渡りません。

プラセンタの血行促進作用は、髪の細胞にまで作用するということなのです。

Eriko's 豆知識

薄毛や抜け毛対策

薄毛や抜け毛の対策としてプラセンタを使用する場合、サプリメントの内服でも徐々に改善が認められますし、クリニックにおいて頭皮に直接プラセンタ注射を行うという方法もあるんですよ。

AGA治療として定評と発毛成功実績のある安全性の高いHARG治療にもプラセンタが使用されることがあります。

疲労回復、滋養強壮

プラセンタは、健康の維持だけでなく、蓄積された疲労を回復する効果や疲れやすい体質を改善する効果が期待されるので、女性が美容目的に使用するだけでなく、働き盛りや体力の低下した男性にもおすすめの成分だと言えるでしょう。

プラセンタには、身体を維持する上で必須とされる5大栄養素のアミノ酸(タンパク質)、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルをはじめとして、核酸や成長因子、活性ペプチドなど、人間が生きていく上で必要とされる栄養素が全て豊富に含まれています。

日常生活ではなかなか摂取しにくい栄養素も、プラセンタによって補うことが可能です。

疲労の原因は人それぞれですが、蓄積してしまう原因のひとつに内臓の機能低下が挙げられます。この症状に対して、プラセンタの含む成長因子が役に立ちます。

各細胞を活性化させ、新陳代謝を促すことにより機能を正常化することで、改善がみられることがあるのです。

プラセンタを継続的に摂取することで、疲れにくい身体がつくれるかもしれませんね。

ちなみに私の場合

なんだか病気でもないのに疲れが抜けないな~と感じたら、プラセンタを増量し、アミノ酸の粉末をプラスして摂取しています。

身体をたくさん動かしたり、体力を消耗しそうな場合には事前に摂っておくこともあります。

アレルギー症状の改善効果

プラセンタの薬理作用のうち、特にアレルギー症状と関わりの深いものが相互的に働き、複合的に作用することで、アレルギーに対して効果を発揮します。

詳細は別の回でご説明する予定ですが、アレルギーはプラセンタの2つの機能によって緩和・改善が期待できます。

それは、正常な免疫機能を妨害する異常リンパ球の排除と、アレルギー反応を起こす原因となるIgE抗体を作らせないようにする作用です。

加えて、プラセンタに多く含まれる5大栄養素や免疫抑制物質などの成分が、アレルギー体質や体内の栄養バランスの不安定などアレルギー疾患の要因となりうる状態にも効果を発揮するとされています。

アレルギーの治療には、症状を緩和するためにステロイド剤が使用されることも少なくありませんが、体質そのものの改善にはなりません。

また、ステロイドなど薬剤には副作用の可能性がある一方、プラセンタには大きな副作用がなく安心して使用できるところも利点です。

花粉症に対するプラセンタの効果

花粉症に対するプラセンタの効果

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉がアレルゲン(抗原)となって、鼻や喉、目などから体内に侵入することで起こります。

体内ではIgE抗体が過剰に産生され、免疫機能に関わる肥満細胞からヒスタミンが大量に放出されることによりアレルギー反応(Ⅰ型アレルギー)が引き起こされるわけです。

プラセンタには、免疫賦活作用とともに、IgE抗体を抑制してヒスタミンの放出を抑える働きがあるため、花粉症にも効果が期待されています。

プラセンタが使われる目的・用途

実際にプラセンタがどのような場面、用途で使用されているのかを大別してご紹介していきますね。

全ての効果を挙げていくとキリがなくなってしまうのでざっくりとした内容にします。

プラセンタの持つ新陳代謝促進作用、細胞活性化作用、体質改善作用、血行促進作用、免疫強化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、自律神経調整作用などがあらゆる細胞に影響し、身体の器官や臓器に症状改善や優れた効果を与えると考えられています。

成分の種類とその作用の多さゆえ、プラセンタの用途は本当に様々です。
「効能が多すぎるのではないか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、プラセンタエキスの原料である胎盤は、生命の源です。

赤ちゃんが誕生するために必要な栄養、エネルギー、ホルモンなど全てを含んでおり、内臓・皮膚・筋肉や関節、神経といった身体中に作用するのですから、多くの症状に対して作用することもご理解いただけるかと思います。

日本では現在、プラセンタエキスは注射薬・内服薬の医薬品、サプリメントやドリンク剤などの健康食品、化粧品や育毛剤などの形態で用いられ、多くの方々に愛用されています。

医療の現場で使用

医療の現場で使用

ヒトの胎盤を使用することが許可されているのは医療用医薬品の注射液のみで、医療の分野では特定の疾患に対する治療に使われています。

一方、一般用医薬品(OTC)は内服薬として様々な治療に用いられます。

これら医療の分野で使用されることを、総称してプラセンタ療法と呼び、新陳代謝の促進、自律神経やホルモンバランスの調整、免疫・抵抗力の向上など、プラセンタの持つ様々な薬理作用が利用されているのです。

具体的にどのような症状や疾患で使用されているのかについては、次回以降のコラムで詳しくご説明したいと思っております。

保険診療の対象となるのは、肝機能障害や肝硬変の治療としての肝機能改善薬“ラエンネック”と、更年期障害と乳汁分泌不全に対する治療薬“メルスモン”の2製品のみになります。

保険診療の対象外であっても、医療の現場では医薬品として様々な疾患に使用することが可能です。

ご存知の方も多いと思いますが、自由診療の美容クリニックでは、美容目的としても医療用のプラセンタ注射・点滴を受けることができますよ。

健康食品として使用

健康食品として使用

近年では健康食品にもプラセンタが応用されており、非常に多くの製品が販売されています。

健康食品には明確な定義がなく『健康の保持増進に資する食品全般』のことを指すとされています。

一般医薬品も市販されており、これも健康食品に含まれるのではないかと考えます。

サプリメントやドリンクなど健康食品に使用されているのは動物由来、主に豚か牛のプラセンタで、海外では羊を使用する場合もあります。

かつて主原料として使用されていた牛由来のプラセンタは、2001年にBSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)の影響を受け、厚生労働省により禁止されました。

肌質改善や美肌効果、体質改善などの目的で、プラセンタを含むカプセルや錠剤(製薬会社が製造しているものもあります)、サプリメント、ドリンクといった様々な製品が展開されています。

本当に種類が多いため、どれを選べば良いのか迷ってしまうのではないでしょうか?

Eriko's 豆知識

プラセンタを何らかの形で摂取し、効果を実感したいと思うのであれば、製品選びは慎重に行ってくださいね。

使用されているプラセンタの種類や質、含有量(配合量と含有量の違いにご注意を!)、製品に含まれる他の配合成分などに着目して、症状や目的に合わせたものを選ぶことがとても大切です。

化粧品としての使用

化粧品としての使用

プラセンタには、身体の中へ直接的に摂取する医薬品や健康食品(サプリメントなど)以外にも、外用としての用途があります。

化粧品には全成分表示が義務付けられているため、プラセンタエキスが含有されている化粧品にはきちんと表記されています。

プラセンタエキスを含む化粧品類は約700品もあるそうですよ!
最近ではプラセンタジェルなる化粧品が流行っているようですね。

現時点では眉唾ものですが、色々調べてから試してみたい気持ちはあります…。

化粧品にプラセンタが使用される場合、主な目的は美肌・美白作用やアンチエイジング作用だと考えられます。

Eriko's 豆知識

サプリメント

サプリメントなど健康食品にも当てはまることですが、プラセンタ配合の製品を選ぶ際には、公開されている情報をしっかりとチェックして、原料や抽出方法を把握し、品質の高さを推測することが重要です。

原料の品質や実際の配合量、抽出方法などにより、製品としてのクオリティーにかなりのバラつきがあります。

含有されているから良い、安いからお得、というわけでは決してありません。悪質なアフィリエイト記事を鵜呑みにせず、ご自身の目で製品の信頼性を見極めるようにしてください。

私は直接、製造元や販売元の連絡先に問い合わせてしまうこともあります(笑)。

ヘアケア用品としての使用

意外なことに、プラセンタはヘアケアにも一役買っているのです。それはプラセンタの効果・効能の部分でご説明した育毛効果と抜け毛改善という作用によるものなのでしょう。

シャンプーやトリートメントに配合されるのは、プラセンタに含まれる豊富なアミノ酸が髪の毛にハリやコシ、ツヤを与える作用を持つからです。

また、プラセンタには細胞の成長を促進させる成分(細胞増殖因子)が含まれているため、髪の毛根を刺激することによる育毛効果が期待できるのです。

まとめ

以前からまとめてみたかったプラセンタについて、このコラムで書かせていただくことに致しました。

注射や点滴、サプリメントやドリンクなど、私たちの生活に既に溶け込んでいるプラセンタ。

しかし、皆様は本当にプラセンタに関して、正確な知識を持ち、その多彩な作用について明確に理解した上でご使用になっておられますか?

私は、当然のように使用している今だからこそ、改めてプラセンタについて見直してみたいと思ったのです。

全4回のシリーズでは、多少内容が重なる部分があるものの、それぞれテーマが異なるように書いておきます。

専門的すぎて読むのが億劫になってしまうことがあるかもしれませんが…気を付けますね。

既にご存知の方は復習として、また新たな知識を取り込みたい方にはプラセンタの概念などについての理解を深めるために、それぞれ活用していただければ嬉しいな、と願うばかりです。

参考文献

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律ホームページはこちら
  • 「健康食品」のホームページ|厚生労働省ホームページはこちら
  • 「健康食品」の安全性・有効性情報ホームページはこちら
  • ウシ等由来成分を原料として製造される医薬品、医療用具等の品質及び安全性確保の強化に係る承認申請等の取扱いについてホームページはこちら
  • 牛海綿状脳症(BSE)等に関するQ&A|厚生労働省ホームページはこちら
  • プラセンタエキス(化粧品):Cosmetic-Info.jpホームページはこちら
  • 厚生労働省 健康食品資料
  • プラセンタ療法と統合医療 -プラセンタ療法実践15年と今後の展望- (吉田クリニック院長 吉田健太郎M.D.)
  • JBP Placental Extract(Human)の安全性(株式会社日本生物製剤社内資料)
  • ラエンネック添付文書(株式会社日本生物製剤)
  • メルスモン添付文書(メルスモン製薬株式会社)
  • プラセンタ療法と統合医療 吉田健太郎・著(たま出版)
  • 体にやさしい実践プラセンタ療法 吉田健太郎+各科医師16人(東洋医学舎)
  • 胎盤力 プラセンタ・パワー 吉田健太郎・著(H&I)
  • プラセンタ医療の現場から 景山司・著(現代書林)
  • 厚生労働省告示第二百十号○生物由来原料基準(平成十五年五月二十日)
  • 平成28年度版 美容薬学検定試験公式ガイド&テキスト (一ツ橋書店)
  • 日本化粧品検定1級対策テキスト 著・小西さやか(主婦の友社)

脇坂英理子

著者プロフィール

脇坂 英理子

東京女子医科大学医学部を卒業。元々は麻酔科を專門としていたが、その後一般的な内科と美容内科・美容皮膚科も経験。現在は、医療・健康・美容などの知識を活かしライターとしても活躍中。

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