女性医師が徹底解説!くすみシリーズPart1:お肌のくすみは原因別にタイプがある?!

女性医師が徹底解説!くすみシリーズPart1:お肌のくすみは原因別にタイプがある?!

ふと鏡に映る自分の顔を見て「なんだか顔がくもっているみたい…」「しっかり眠ったはずなのに顔色が悪い…」

多くの方が一度はそんな風に思った経験があるのではないでしょうか?これは、お肌の『くすみ』が原因。

別にお肌トラブルがあるわけでもないのに、お顔がくすんでいるせいで、気持ちまで暗くなってしまったり、メイクの映えが良くなかったりすることはありませんか?

今回は『お肌のくすみ』をテーマに、原因別のくすみについてご説明していきますね。

たかがくすみと侮ってはいけませんよ! 大きな肌トラブルにつながる前に『くすみ』について知り、対策することが大切です。

とくに、くすみでお悩み中の方は、ご自身がどのタイプに当てはまるのかを確認してみてくださいね。

肌の『くすみ』って?

肌の『くすみ』って?

肌のくすみには明確な定義はありません。一般的に自分や他人の顔を見て「パッとしないくすんだ色をしているな」と感じることがくすみとされていますよね。

もう少し細かくご説明すると、くすみとは、顔全体や目のまわり、頰などに生じ、お肌の赤みが減って黄みが増えること。

また、お肌のツヤや透明度が減少したり、お肌表面の凹凸による陰影によって明度が低下してくすんで暗く見える状態のことを指します。

くすんだお肌では、血液が鬱滞(うったい)し、角質層や表皮にメラニン色素が増えて、お肌の透明度が減少します。

さらに、表皮と真皮に『糖化』という現象が起こり、お肌の色がくすみます。これらは原因が1つの場合もありますし、いくつかの状態が重なってくすみになる場合もあります。

私たちのお肌の色は、皮膚を構成する乳白色の真皮と半透明の表皮、そこに含まれるメラニンや毛細血管の血液の色が混ざり合ったもの。

健康かつ血色の良い状態だと、ターンオーバーが正常で、かつ血液の循環が良いため、少しピンクがかったいわゆる“肌色”になります。

元々のお肌の色には個人差があるため、より白色に近かったり、黄色みが強かったり、浅黒かったりという違いはあります。

反対に、顔にくすみが出ると、本来のお肌の色とは異なる灰色や黄色、茶色みや青みがかった色になり、お肌の柔軟性も失われてしまいます。

その結果、表情が硬く顔色が冴えずに疲れている印象を与えたり、実年齢より老けて見えてしまったりすることもあるのです。

このように顔にくすみが出ると、全体の印象が暗く見えてしまうことが多いです。

お肌の色を決める要素

自分の肌がくすんでいないか心配な方は、下のセルフチェックを試してみましょう。

私ってくすんでる?くすみセルフチェック

  • 周りの人から顔色が悪いと言われる
  • オイリー肌で、皮脂が多くお肌がベタつく
  • 顔の産毛が多く、処理もしていない
  • 目の下に頑固なクマがある
  • 乾燥肌で触れるとザラつきやゴワつきがある
  • お肌に透明感やツヤがない
  • お肌のハリが失われてきた
  • 首のお肌よりも顔の方が暗く見える
  • 毛穴の黒ずみが目立つ
  • シミやそばかすが増えてきた
  • 顔がむくみやすい
  • 体が冷えやすい
  • バスタブに浸からずシャワーで済ませてしまう
  • メイクのノリが悪いと感じる
  • メイクをしても顔色が悪い
  • 普段使用しているファンデーションなのにお肌から浮く、色ムラが出る

いかがでしたか?いくつか当てはまる程度なら、まだ少しは安心して良いでしょう。

しかし当てはまる項目が多いほど、あなたのお肌はくすんでいる、ということ。

原因とタイプをチェックして、ご自身に合った改善法を行っていくことが必要ですよ。

ちなみに私の場合

4つ当てはまっていました。年齢のせいもあるのかな?と思いつつも…やっぱり気になってしまいますね(笑)。

くすみを自覚することはあまりないのですが、もしかしたらくすみ予備軍なのかもしれません。

原因別くすみの種類

お肌の色をくすませる原因としては様々な要因が関係してきます。そのため、お肌のくすみの原因は、1つだけとは限りません。

本来の肌質や体質、食生活や睡眠、ストレスなどを含めた生活習慣や、日々のスキンケアの方法など、多くの要素が絡み合ってくすみが生じます。

ここからは、原因別のくすみの種類を簡単に見ていきましょう。それぞれのタイプの詳しい説明や改善法・対策法などは今後の連載で順次解説していきますね♪

くすみの原因別タイプ

角質肥厚によるくすみ

様々な原因で、お肌の表面に不要な古い角質が積み重なってしまうことにより、くすんで見えてしまうのが、角質肥厚によるくすみです。

古い角質にはメラニンが含まれているので、重なって厚くなるとお肌のくすみとなってしまうわけですね。

老化角質が肌に蓄積されて厚く重なり、顔色がグレーっぽく見える状態のくすみです。

毛穴詰まりによるくすみ

毛穴にホコリ、汚れ、皮脂、古い角質が詰まると角栓となります。そして角栓が酸化すると黒ずんでしまい、顔全体が黒くくすんだように見えることがあり、これが毛穴詰まりによるくすみです。

前項の角質肥厚によるくすみと同時に起こることも多いタイプですね。

乾燥によるくすみ

お肌の乾燥によって、キメが荒くなり、お肌の表面がなめらかでなくなってしまうことがあります。

キメの乱れたお肌の表面に光があたると、凹凸のあるお肌に光が乱反射してお肌のトーンが暗くみえてしまうことがあります。これが乾燥によるくすみの原因です。

血行不良によるくすみ

生活習慣や体質などが原因で、リンパの流れや血行が悪くなると、生き生きとしたお肌の血色感が失われてしまいます。すると顔全体が暗く、顔色が悪く不健康に見えてしまいます。

これが血行不良によるくすみです。顔色の悪さが元となり、くすみと同時にシミが目立つ場合もあり、エイジングケア世代に多く見られるくすみです。

メラニン色素によるくすみ

メラニン色素によるくすみ

紫外線や摩擦などの外部刺激により、メラニン色素がお肌のターンオーバーで排出できる量を上回るほど発生する場合があります。

そうなると、排出量よりも発生量が多いためにお肌にメラニン色素が蓄積され、くすみの原因になってしまうのです。

ターンオーバーが乱れていると、メラニン色素の排出量は通常よりも少なくなってしまうので、より蓄積されやすくなるといえるでしょう。

メラニン色素は褐色なので、このタイプのくすみは茶黒っぽい色で、顔に暗い印象を与えがちです。

また、遊離脂肪酸という皮脂成分の一部がメラニン色素を作り出すメラノサイトを刺激して、メラニン色素を増やす場合があるともいわれています。

そのため、紫外線対策を万全に行っていても、遊離脂肪酸が原因でメラニン色素によるくすみが起こる可能性もあるのです。

メラニンはくすみだけでなく、シミやそばかすなどの原因ともなるので、紫外線には注意しましょう。

黄ぐすみ(糖化によるくすみ・カルボニル化によるくすみ)

メ黄ぐすみは、大きく『カルボニル化』と『糖化』の2つの原因に分けられます。一般的には、まとめて糖化によるくすみ、としているケースも多いようです。

メカルボニル化による黄ぐすみは、脂質の過剰摂取によって、脂肪の分解質とタンパク質が結びつくことで起こります。

メ糖化による黄ぐすみは、炭水化物や砂糖などに含まれる糖質を過剰摂取することによって、糖質とタンパク質が結びついて起こります。

メどちらも、お肌の色が黄色くくすんで見える点が共通しています。『糖化』や『カルボニル化』は、お肌だけでなく体内でも起こるので、エイジングケアの分野でも非常に注目されている現象です。

加齢によるくすみ

メ年齢を重ねていくにつれ、遅かれ早かれ誰しもお肌の老化が始まります。肌老化には5つの種類があるんです。

メ紫外線の影響による『光老化』、お肌のハリや弾力の低下による『お肌の酸化』、女性ホルモン低下による『菲薄化(ひはくか)』、あらゆるお肌トラブルの元である『乾燥』、そして前項で触れた黄ぐすみの原因である『糖化』です。

あなたのくすみはなにタイプ?セルフチェック!

あなたのくすみはなにタイプ?セルフチェック!

では、これまでご紹介してきた数種類のくすみのうち、ご自身のくすみがなにタイプなのかをチェックしてみましょう。

当てはまる項目のアルファベットの数をカウントしていってくださいね。

年齢が40歳以上 G
年齢が30歳以上 A, G
紫外線対策をあまりしていない E
紫外線に当たる機会が多い E, F
肌タイプは乾燥肌である C
敏感肌、インナードライの傾向がある A, B, C
お肌に透明感がない C, F
お肌のハリや弾力がなくなってきた F, G
お肌がゴワついている A, B, E
お肌がシワっぽい C
肌荒れを起こしやすい C
ニキビや吹き出物が治りにくい A
思春期ニキビに悩んだことがなかった C
毛穴や角栓が目立つ B
毛穴、シワ、ほうれい線などが目立つ C, G
洗顔後にお肌がつっぱる C
ゴシゴシとこすって洗顔をする E
洗顔後には肌色が明るくなった気がする A
スクラブ入り洗顔料や毛穴パックをよく使う B
お風呂に浸からずシャワーで済ませてしまう D
ファンデーションのノリが悪い A, B
ワントーン暗いファンデーションを勧められた F
メイクを落とさずに寝てしまうことがある B
朝起きたとき顔がむくみやすい D
スイーツをよく食べる F
炭水化物が大好き F
便秘気味である D
どちらかというと胃腸が弱い E
運動不足、睡眠不足である D
季節に関わらず冷え症である D
食生活に偏りがある D, F
疲れやすい D
ストレスが溜まっている D, F
ほてりなどの更年期障がいの症状がある G
お肌が灰色っぽくくすんでいる A, B, G
お肌が茶色、焦げ茶色っぽくくすんでいる E
お肌が黄色、茶色っぽくくすんでいる F
お肌が青白く、クマができやすい D
午後や夕方になるとくすんでくる C, E

いかがでしたか?では結果を発表しますね。

  • Aが多かったあなたは『 角質肥厚によるくすみ 』タイプ!
  • Bが多かったあなたは『 毛穴詰まりによるくすみ 』タイプ!
  • Cが多かったあなたは『 乾燥によるくすみ 』タイプ!
  • Dが多かったあなたは『 血行不良によるくすみ 』タイプ!
  • Eが多かったあなたは『 メラニン色素によるくすみ 』タイプ!
  • Fが多かったあなたは『 黄ぐすみ 』タイプ!
  • Gが多かったあなたは『 加齢によるくすみ 』タイプ!

ちなみに私の場合

圧倒的に多かったのは『血行不良による』タイプ、次いで『黄ぐすみ』タイプ、3番目に『加齢によるくすみ』でした…。

不健康な生活習慣と40歳という年齢を考えると当然の結果かな、と(笑)。実は今まで、あまり自分のくすみは気にしてこなかったのですが、記事を書きながら皆様とご一緒に対策していきたいと思いました。

くすみの原因は一つではないため、数が多かったタイプが重なってくすみを起こしている可能性も十分に考えられます。

ご自身のくすみタイプを覚えておいてくださいね。詳しい原因や改善法、対策ケアについて今後ご紹介していきます!

まとめ

今回から新たに始まったくすみシリーズのPart1いかがでしたか?

小難しい解説は極力省いて、セルフチェックを多くしてみました。楽しみながら読んでいただけていたら良いのですが…

お肌のくすみは全体的な印象を暗くしてしまいますし、メイクだけではカバーしきれない場合もあります。

また、くすみを放置してると、その他のエイジングサインにもつながる可能性もあるので、早めの改善が必要!

チェックリストで当てはまったタイプのくすみについて、今後それぞれ詳しいご説明や対策法などをご紹介していきます。

次回以降もお楽しみに♪

参考文献

  • 日本化粧品検定1級対策テキスト 著・小西さやか(主婦の友社)
  • 日本化粧品検定2級・3級対策テキスト 著・小西さやか(主婦の友社)
  • 一般社団法人 日本コスメティック協会 検定テキスト コスメQ&A 第2版(中央書院)
  • 一般社団法人 日本コスメティック協会 検定試験参考図書 編・川島眞、宮地良樹(メディカルレビュー社)
  • コスメティックQ&A事典 全面改訂最新版 (中央書院)
  • 美容のヒフ科学 改訂9版 著・安田利顕 (南山堂)
  • 【医師監修】お肌のくすみの種類と原因|スキンケア大学ホームページはこちら
  • 【医師監修】顔のくすみの原因と肌の透明感を取り戻すスキンケア方法|スキンケア大学ホームページはこちら
  • 私はどれ?タイプ別「顔のくすみ」の原因&改善策で透明感を取り戻そう|ALFACE オルフェスホームページはこちら
  • 肌のくすみの原因をチェック!原因にあわせたお手入れ&事前の対策ホームページはこちら
  • 肌のくすみの原因と改善・解消の7つのエイジングケア対策!|エイジングケアアカデミーホームページはこちら
  • 顔のくすみで老け顔に!?5つの原因と透明感を目指すポイントとはホームページはこちら
  • くすみを消すサプリメント★人気ランキング!ホームページはこちら
  • 「くすみ」って何? セルフチェックで対策しよう!|リエ[Lier]ホームページはこちら
  • あなたのくすみはどのタイプ?症状別おすすめ化粧水対策|アンチエイジングの神様ホームページはこちら
  • くすみのセルフチェック表|あなたの肌は大丈夫?ホームページはこちら

脇坂英理子

著者プロフィール

脇坂 英理子

東京女子医科大学医学部を卒業。元々は麻酔科を專門としていたが、その後一般的な内科と美容内科・美容皮膚科も経験。現在は、医療・健康・美容などの知識を活かしライターとしても活躍中。

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