身近すぎて意外に知らない「化粧水」の正しいスキンケア方法

化粧水の使い方を写真つきで紹介。

化粧水といえば、私たち女性にとってはいつもお世話になっているアイテム。でも、あまりに身近すぎて詳しいことをよく知らない、という人は意外に多いのではないでしょうか。

考えてみれば、そもそもなぜ使わなくちゃいけないのか? いったい何からできているのか?・・・などなど、化粧水についてわからないことっていっぱいありますよね。そこで今回は化粧水についての疑問を、とことん解明していきましょう。

化粧水の役目をきちんと理解しましょう

なぜ化粧水を使わなければいけないのか・・・改めて聞かれると、詳しく説明できる人は少ないと思います。そこで、まずは化粧水の役目を改めておさらいしましょう。ざっくりまとめると以下のようになります。

1,肌に水分を与え、乾燥を防ぐ
2,肌にうるおい(NMF)を与える
3,次に使う化粧品の浸透を高める

これを読んで気づくことは、「1,肌に水分を与え、乾燥を防ぐ」と「2,肌にうるおい(NMF)を与える」が一見似ているように思えることでしょう。でも、このふたつは内容がまったく違います。「3,次に使う化粧品の浸透を高める」も含めて、次から説明していきましょう。

化粧水の役割1:肌に水分を与え、乾燥を防ぐ

水分とはいうまでもなく「水」のこと。健康な肌の角層には、「皮脂」と「水分」、そして「肌が作り出すうるおい成分」がバランスよく混在しています。ですから、乾いた肌にたっぷりの水分を与えることはとても大切なことなのです。

実は化粧水の約8~9割は水でできています。ですから「1,肌に水分を与え、乾燥を防ぐ」のは、化粧水にとっては得意中の得意ともいえる「仕事」。でも、「化粧水の約8~9割は水」と聞くと、ちょっとびっくりする人もいるかもしれませんね。

「化粧水の約8~9割は水」というのには、もちろんきちんと理由があります。それは肌への浸透のよさ。水の粒子はとても細かく、また肌のすみずみまで行きわたりやすいので、お手入れがとてもしやすいという利点があるのです。

と、ここまで読んでまたまた「あれ?」と思った人もいるかもしれません。試しに水道の水を手の甲につけてみると、すぐに蒸発してしまいます。そう、水分だけを与えても、肌はすぐに乾いてしまいます。

そこで必要になるのが「うるおい」。肌には「水分」と「うるおい」、このふたつをセットで与えなければ意味がないのです。

化粧水の役割2:肌にうるおいを与える

先ほど、「健康な肌の角層には、『皮脂』と『水分』、『肌が作り出すうるおい成分』がバランスよく混在している」とお伝えしましたね。この3つのうち、「肌が作り出すうるおい成分」のことを、専門用語でNMF(ナチュラル・モイスチャライジング・ファクター)といいます。

NMFは、肌に水分をつなぎとめる役割を果たす成分。たとえば、私たちが砂漠にいったとしても、私たちの肌からいきなり水分がなくなって干からびたりしません。

過酷な環境でも人間が皮膚に水分をとどめておくことができるのは、NMFのおかげでもあるのです。

でも、私たちの肌は、いろんなストレスが原因でNMFが少なくなりがちです。そうすると水分をつなぎとめる力が弱くなり、肌は乾燥しやすくなってしまいます。そこで人工的に作られたNMFを、水分と一緒に化粧水で補う必要があるのです。

たとえば、化粧水に含まれているわかりやすい成分名として、「アミノ酸」や「ミネラル」、「尿素」といったものをよく聞きますよね。これらはすべてNMFの一種。私たちの肌でも作られていますが、人工的に作られたものがさまざまな化粧品に配合されています。

化粧水の役割3:次に使う化粧品の浸透を高める

水分とうるおい(NMF)が極度に不足していると、美容液、乳液やクリームといったアイテムの効果を充分に活かすことができません。ですから最初に化粧水を使うことがとても大切です。

たとえば、植木に水をあげる・・・と想像してみましょう。「カラカラに乾いて干からびた状態」と「適度に湿った状態」では、どちらが早く水がしみ込むでしょうか? 「カラカラに干からびた状態」だと、乾きすぎて水分がなかなかしみ込んでいきませんよね。

でも、「適度に湿った状態」だと、水はサッと吸収されます。肌もそれと同じ。適度な水分がなければ、あとから使う美容液や乳液、クリームが充分に浸透していきません。さりげないアイテムではありますが、化粧水はとても重要な役割を果たしているのです。

化粧水はいったいどういうものからできてるの?

先ほどもお伝えしましたが、化粧水のほとんどはずばり「水」。なのに、安くないのはなぜなのでしょう?

その答えは、「水以外に含まれている成分」にあります。水以外にどんなものが含まれているのか・・・こればかりは、メーカーによって、またブランドによってもまったく違います。例をあげてみましょう。

「水」以外に配合されている成分とは・・・

化粧水には、NMFのほかに肌を健康に保つビタミン類や保湿成分、そのほかにも各メーカーが開発した有効成分などが入っています。また、スーッとする感触を与えるアルコールや、劣化を防ぐ殺菌剤などが入っていることもあります。

ただ、各種成分には水溶性(水に溶けるもの)と、油溶性(油にしか溶けないもの)があります。油溶性の成分を化粧水に配合するのは、実はとても大変。メーカー独自の高度な技術や開発力が必要になるので、その分コストがかかってしまうわけです。

ちなみに、メインの材料である「水分」ですが、コンタクトレンズのケアなどでお世話になる精製水が使われることがほとんど。ラグジュアリーブランドになると、ハーブから抽出した水を使ったり、海水由来の特別な水を使ったりすることもあるようです。

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タイプによって向いているつけ方も違う

コットンか、手でつけるか・・・メーカーによって提唱する方法が違うので、化粧水のつけ方は悩むところですよね。自分の使っているメーカーの使い方に添うのがベストですが、バシャバシャした水状、つまり普通の化粧水の場合は、できればコットン使いがおすすめです。

しかも、パッティングではなく「すべらせてなじませる」という方法がベスト。なぜかというと「コットンでなじませる」という動作によって、無意識のうちに丁寧に化粧水をつけるようになるからです。常に一定量の化粧水が肌と密着するので、浸透具合が断然違ってきます。

ただし、水状ではなくトロミのついた化粧水の場合は、コットンではなく手でなじませるほうが効果的。表面に膜を作ることで浸透させる仕組みになっているものが多いからです。手のひら全体でなじませて、温めながらじっくりと浸透させるようにしましょう。

衝撃の事実! パッティングには意味がない!

ちなみに、よく化粧水をパタパタとパッティングしてつけている人がいますが、あれには何の意味もありません。

パッティングには浸透を高める効果があると勘違いしている人も多いですが、実は浸透を高める効果はまったくないことがわかっています。せっかくの化粧水が無駄になるだけなので、やめたほうが無難です。

ではここで、正しい化粧水の使い方をまとめておきましょう。
1,普通の化粧水はコットン使いがベター
2,トロミのついた化粧水は手がベター
3,どちらにしてもパッティングしない

化粧水にまつわる素朴な疑問

「乳液先行ブランド」の化粧水は普通の化粧水と違うの?
そのほかの疑問についても見てみましょう。

ブランドのなかには「アルビオン」や「イグニス」など、「化粧水よりも乳液を先に使う」という化粧品ブランドもありますよね。こういったブランドの化粧水は、普通の化粧水とどう違うのでしょうか?

結論からいうと、乳液先行型ブランドの化粧水も、処方上は普通の化粧水と何も違いはありません。ただ、乳液との相性や浸透の仕方の違いなどがあるので、乳液先行型ブランドの場合は、同じラインの乳液&化粧水でそろえて使ったほうがいいでしょう。

「トロミのついた化粧水」は普通の化粧水と違うの?
普通の化粧水、つまり水状の化粧水とトロミがついている化粧水は、使われている成分にやや違いがあります。

トロミがついた化粧水は、保湿剤がより多く含まれていたり、粘りを増す成分(増粘剤)が配合されたりしていることもあります。

水状の化粧水は「一気に肌に広がって一度に浸透する」というイメージですが、トロミタイプの化粧水は、「保湿成分の膜を作ってゆっくりと浸透していく」というイメージ。ですから上で紹介したように、向いているつけ方も違ってくるわけですね。

「化粧水」と「化粧液」。何がどう違うの?
「RMK」や「イプサ」など、「乳液や美容液がいらない化粧液のブランド」もありますよね。「化粧水」と「化粧液」、名前に少し違いはありますが、このふたつも処方上の違いがそれほどあるわけではありません。

ただ、化粧液のブランドは「乳液や美容液がいらない」とうたっている以上、化粧液の保湿力を高めなくてはならないので、油分や保湿成分がより多く配合されているケースがほとんど。

そのぶん、「乳液や美容液がいらない化粧液ブランド」の化粧液はやや値段が高いものが多いですよね。

まとめ:身近なアイテムだからこそ心をこめて使おう

身近すぎるアイテムだからこそつい何も考えずに使いがちですが、化粧水はすべてのお手入れの基本になるアイテム。ですから美容液やクリームと同じように、抜かりなく選んで使いたいものです。

ちなみに、化粧水はいつも同じものを使わなくてはいけないわけでもありません。肌の状態によって、たとえば朝と夜で「さっぱり」「しっとり」を使い分けたり、生理前後とそうでないときで、違うメーカーのものを使ったりするのもいいでしょう。

いずれにしても、「何となく使う」のではなく、美容液やクリームと同じように、「丁寧に使う」「肌の状態を見ながら使う」のがポイントです。せっかくお金を出して買うのですから、効果を存分に引き出して使いたいですよね。

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